【USAのUMA事件】-研修生 朽屋瑠子-
投稿者:kana (210)
フィールド周辺には軍の電子戦部隊があわただしく活動している。
なぜかNASAの白いバンの車列も見える。なにかしら持ち帰るつもりなのだろうか。
対岸にいる黒いバンの車列にはスカンクワークスのマークが付いている。
ステルス戦闘機を開発した彼らが次に狙うのは、ベヒーモスの通常火器を無効化する能力だろうか。はるか上空には先ほどから空軍の情報偵察機RC-135も飛んでいる。
「こりゃーブルーブックもXファイルも動いてそうだな。・・・SFドラマの見すぎか?」
・・・・・・
フィールドにトラックが数台入り込む。捕獲した野ブタを数十頭放つためだ。
準備は整いつつあった。
2台のハンヴィーに分乗するバーナード軍曹の分隊6名。各車操縦手1名とハンター役2名ずつだ。搭載する火器はすべて空砲。軍曹のサイドアーム(拳銃)まで空砲に替えれるという徹底ぶりである。
「こちらビッグフット、準備OKだ。マーベリック、どうか? 送れ」
「・・・にゃむにゃむやむやむにゃむにゃむ・・・」
「マーベリック!!どうした!? 送れ」
「あっ!(汗) こちらマーベリック! 準備・・・あとひとくち・・・にゃむにゃむ・・・
準備完了! 」
「(絶対なんか食ってたな)・・・どうだ、暗くなってきたが、見えているのか?」
「こちらマーベリック、フィールド全体に赤外線が張り巡らされているようで、こちらのスコープで1000ヤード先も丸見えです!」
「上等だ。それじゃー、狩りをおっぱじめようか!!」 「了解!!」
静まり返ったフィールドにハンヴィーのエンジン音が鳴り響く。
それを聞いて一斉に逃げ惑う野ブタたち。
兵士たちは銘々にショットガンやライフルを撃ちまくる。もちろん空砲だ。
「ヒャッハー!! 軍曹!なんだか楽しくなってきました!」
「バカモン! 遊びに夢中になるな! 我々の敵は豚ではない!」
その様子をライフルスコープで追っていた朽屋は、おかしなものを目撃した。
何もないはずのフィールドのあちこちに青白い炎のようなものが見えるのだ。
1メートルほどの高さまで燃え上がり、くねくねと踊っている。
「・・・動物霊だ・・・この土地はかなりケガレている・・・早く浄化してあげて欲しいけど・・・この国の人たちはあんまり信じてくれないだろうなぁ・・・」
仮設司令部(コールサイン : サンダーランチ)から警報が出る。
「ビッグフット、イエローゾーンに入ります。各隊警戒せよ!」
kamaです。
朽屋瑠子シリーズも今作で7作目となりました。過去作品もお読みいただくと、より世界観が広がると思います。よろしくお願いします。
今回のお話は、朽屋瑠子シリーズの中でも最も長編となった【より子ちゃん事件】で瀕死の状態になった朽屋が復活する過程でアメリカに研修に行っていた時のお話になります。
朽屋シリーズは時系列がバラバラなのはご了承ください。
ロマンホラーって感じで、気軽に楽しんでいただければと思います。
また誤字などありましたらお気軽にお知らせください。
先生の久しぶりの力作を楽しみです。
↑kamaです。毎度読んでいただきありがとうございます。
朽屋瑠子シリーズは別に怪談としてぜんぜん怖くないし、なんなら中二病全開で、話も長くてYoutubeでも2回くらいしか朗読されたことありませんが、自分で書いてて一番楽しいです。
えぇ、これが自己満足の世界というやつです。
「沖縄のキャンプ座間」が気になってしまいました。沖縄なのか座間なのか。今後のストーリーに影響なければ流すのですが。
↑kamaです。設定のご指摘ありがとうございます。「沖縄」をはずさせていただきました。
実は最初に書いた原稿で、大佐が沖縄のキャンプシュワブにいた設定にしていたのですが、
ご存じの通りキャンプシュワブは米海兵隊の基地で、グリンベレーと海兵隊の協力関係があったという設定もできますが、やはり陸軍は陸軍ということで、途中で座間に変えたのですが、沖縄のまま進めてしまいました。ご指摘大変ありがたいです。またなにかおかしなところがあったら教えてください。
ラストの方でチョコバーを差し入れるマーベリックがかわいくてちょっと萌えました。
↑kamaです。コメントありがとうございます。萌えは大事ですね。
学業と訓練の二刀流の瑠子、カッコいい!
↑kamaです。コメントありがとうございます。でも、実質1年留年です。そこはテヘペロです。
ちょっと待て、16歳の太ももで三角締めって、ご褒美じゃねーか!
最近、射撃場という言葉をよく目にする。ひとつはこの作品。もうひとつは自衛隊のニュース。
出だしのセリフ、北斗の拳かと思った。