【USAのUMA事件】-研修生 朽屋瑠子-
投稿者:kana (210)
「その前に・・・」バーナード軍曹が敬礼しながら口を出してきた。
「失礼ですが大佐、こんな年端も行かぬ子供を軍事作戦に参加させるのは、納得いきません!ご説明を願います!」
「これは命令だ。・・・と言ってしまうのは簡単だが、それでは納得できないのも無理からぬことだな」
「ハイ!」
「よしわかった。これも歓迎の1種だ。ルコ、すまないがミーティングの前に一汗かこう。
スパーリングだ。are you tired?」
「i’m not tired」
テキサスに夕日が沈む。
簡易ベース内のテントに急遽マットが敷き詰められ、格闘訓練が始まった。
何事かとベース内で働いていた50名ほどの兵士たちがぞろぞろ集まる。
そこには東洋人らしき子供と、バァッファローも素手で仕留めたと噂される筋肉の塊、
バーナード軍曹が向かい合っていた。
「軍曹!子供殺すなよ!」
「ケガさせんなよ!」
「おしめでも替えてやるのか!?」
「いじめすんなよ!」
見物人たちからヤジが飛んだ。
バーナード軍曹が叫ぶ。
「うるさい!だまれ!! いいか、今度の作戦ではこの子供が我々の命運を担っているんだ!
おまえたちは信じられるか!? この子供に命を預けるんだぞ!? オレに勝って見せろとは言わん。だが、そこそこの抵抗は見せてもらわねば納得がいかん!」
「そうだ、その子供に命を預ける価値があるのか、見せてくれ!!」
衆人からも軍曹の叫びに呼応する声が出た。
「それじゃ、長々とやっても無意味だ。3分以内で終わらせてくれ。・・・はじめっ」
監督するスミス大佐が合図する。
合図とともに、朽屋が軍曹の膝にスルドイ蹴りを入れてきた。
(フン、オレは身長が6.5フィート(約200cm)、ルコはせいぜい5.5フィート(約165cm)。背の高い相手の膝を攻撃してくるのは格闘技のセオリーではあるが、まったく効かんわ。仔犬がじゃれてきているようだ)
kamaです。
朽屋瑠子シリーズも今作で7作目となりました。過去作品もお読みいただくと、より世界観が広がると思います。よろしくお願いします。
今回のお話は、朽屋瑠子シリーズの中でも最も長編となった【より子ちゃん事件】で瀕死の状態になった朽屋が復活する過程でアメリカに研修に行っていた時のお話になります。
朽屋シリーズは時系列がバラバラなのはご了承ください。
ロマンホラーって感じで、気軽に楽しんでいただければと思います。
また誤字などありましたらお気軽にお知らせください。
先生の久しぶりの力作を楽しみです。
↑kamaです。毎度読んでいただきありがとうございます。
朽屋瑠子シリーズは別に怪談としてぜんぜん怖くないし、なんなら中二病全開で、話も長くてYoutubeでも2回くらいしか朗読されたことありませんが、自分で書いてて一番楽しいです。
えぇ、これが自己満足の世界というやつです。
「沖縄のキャンプ座間」が気になってしまいました。沖縄なのか座間なのか。今後のストーリーに影響なければ流すのですが。
↑kamaです。設定のご指摘ありがとうございます。「沖縄」をはずさせていただきました。
実は最初に書いた原稿で、大佐が沖縄のキャンプシュワブにいた設定にしていたのですが、
ご存じの通りキャンプシュワブは米海兵隊の基地で、グリンベレーと海兵隊の協力関係があったという設定もできますが、やはり陸軍は陸軍ということで、途中で座間に変えたのですが、沖縄のまま進めてしまいました。ご指摘大変ありがたいです。またなにかおかしなところがあったら教えてください。
ラストの方でチョコバーを差し入れるマーベリックがかわいくてちょっと萌えました。
↑kamaです。コメントありがとうございます。萌えは大事ですね。
学業と訓練の二刀流の瑠子、カッコいい!
↑kamaです。コメントありがとうございます。でも、実質1年留年です。そこはテヘペロです。
ちょっと待て、16歳の太ももで三角締めって、ご褒美じゃねーか!
最近、射撃場という言葉をよく目にする。ひとつはこの作品。もうひとつは自衛隊のニュース。
出だしのセリフ、北斗の拳かと思った。