脳波非対称症 〜記録〜
投稿者:rark (34)
8月15日。今日も診察として
○○さんの病室に訪れる。この状態だと危険なので、病室で診察をすることにした。
これといって、体調には問題はないが、その逆のことを言ってしまう
症状は一向に治る気配がない。
今日は少しだけ実験をしてみた。
ーボイスレコーダー
医師「○○さん。少し今思っている事と逆のことを言って見てください。」
患者「腹は減ってない。」
日記帳
しかし、患者が紙に書いたのは、
「腹が減っている」
というもの。逆のことを言ってしまう病気ではないのか?しかし、これまでに事例がないのだ。
私はこの症状を「脳波非対称症」
と呼ぶことにした。
8月17日あれから1日が経過したが、今のところ変化はない。
8月18日。妙なことが起こった。
ーボイスレコーダー
医師「○○さん?どうされましたか?」
患者「いえ、少しトイレに行こうと」
医師「○○さんトイレは真逆の方向ですよ?」
ー日記帳ー
逆だ。これまでの状態と逆。
確かに患者はトイレに行こうとしている。しかし、今度は、言っていることは本当で、行動が逆のことをしている。ああ、また書き直さないと
8月20日。今の状態は、とても困惑するものと同時に、チャンスでもあった。今なら本当のことを言ってくれるのだから。
ーボイスレコーダー
医師「○○さん。今の症状が始まった時のことを聞いてもよろしいでしょうか?」
患者「はい」(と言いながら首を横に振る。)
医師「○○さんが今の状態になったのは、ある事故の後だと聞きますが。」
患者「はい」(首を横に振る)
医師「○○さん。事故の情報が少し入っているので質問に答えてください。」
興味深いお話でした。
題名に納得です。