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白と黒の旅人さんによる妖怪・風習・伝奇にまつわる怖い話の投稿です

ムカデの守護霊?に簀巻きにされた話
短編 2023/05/11 13:14 2,351view
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「Oくんって何かムカデにいいことでもしたの?」
そんなふうに話しかけてきたのは子どもの頃から良くしてくれている神社の神主さん。先代、先々代から私たちの家族は親交があり、私が一人暮らしをした時は色々してくれた。

後々考えると、アレは今の家に長らく住み着いている存在に私のことを伝えてよろしくお願いしますと言っていたようなものなのかも。

話を戻すと、神主さん曰く、おおよそ3〜4m弱の黒いムカデに私が簀巻きにされてるらしい。私の顔は見えてる。締め付けるとかじゃなくて、護ってる感じらしい。

守護霊なのかという話になったがわざわざムカデになる意味は考えづらいならば仏教関係では?と地元に構えてあるお寺の住職さんに聞くと「いやぁ、ムカデと言えば毘沙門天様のお使いじゃあないですか。お守りになられているようですからかなり良いのでは?」との事。

だが毘沙門天とは関係が薄い神道系の信仰者だし、そもそもその神社の土地神様は蛇、お寺はそんなに毘沙門天に密接では無い。

「「「じゃあこのムカデは何?」」」これが3人で話しあった結論。

悪霊の類が私の体をいいように使っているわけでも無ければ何かの呪いによるもので無さそう。というわけで地元のことに着いて色々調べて貰った。

分かったことは「昔確かににムカデを信仰していた一族はこの地にいて、土地神様とも良好な関係だったが私の一族とは誰も血が繋がっていない」「元々そのムカデが祀らていた場所に私が行ったことがあるかも?」程度。

護ってくれるムカデと言えば某掲示板のムカデの守護霊みたいなのが思い浮かんだのでその書き込みをまとめた動画を見せて似てるかと聞いて見たが「基本的にOくんの半径10m以内から動いてない」との事。
なお、話題にあげることで私が意識した結果か神主さんにしか見えていなかったムカデが住職さんも輪郭だけなら見えるようになったそうな。

そして元々ムカデが祀られていたところだが、山の麓にある石造りの祠みたいなもの。元々家があったところだが既に空き地のようになっている。この空き地は大きな木が1本生えており、私たちの世代はよく遊び場にしている。
割とみつけやすいので待ち合わせ場所にされており、小学校の帰り道、ゲリラ豪雨に襲われた時は家の前に生えていたであろう大きな木に4人ほどで雨宿りしたが、そこに着くまでの間の土砂災害の回避っぷり(その山の近くで土砂崩れが起こっていた)や山の近くで迷ったときもなんやかんやでその空き地にたどり着いていたのでもしかしたらそのムカデのおかげで山から戻ってこれたのかもしれない。

わざわざムカデが今出てきたのは私のように昔近くで遊んでいた子どもが町を離れることを嫌がり引き留めようとしたのか、寂しくなって会いに来て欲しいとアピールしたか、眷属として子どもたちに自分の子どもをつかせていたのか何なのかは分からないがとりあえずご利益のある存在ということはわかった。

かくして私の家には新たに「簀巻きムカデ様」なる新入りが入って来ました。
結局いいものであるということしか分かりませんが今でも定期的にその祠お供えを置きに行っているのですが、ペットショップで飼った爬虫類用のGブリでいいのかしら…?

ムカデの神様に詳しい人、出来れば教えて欲しいです。

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コメント(2)
  • ムカデの神様なら「マンガ日本昔話」出てきた赤城と日光の争いの話を思い出した。因みに投稿者様はどちらのご出身でしょうかね。

    2023/05/11/21:49
  • そういえば日本って何かと大きなムカデいるんですよねぇ。ただ私の地元の奴に関しては怖いし噛まれたくないし水害も怖いから祀っとこみたいな経緯で蛇の神様祀ってるみたいなので似たような経緯で祀られているのかも。
    他に理由があるとすれば夜廻に出てきたムカデの神様みたいな感じとか……?私の出身、赤城でも日光でもないんですよねぇ。By作者

    2023/05/12/09:49

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