見るんじゃなかった
投稿者:キミ・ナンヤネン (88)
長編
2022/11/21
01:40
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A美はそれが原因でかなり精神的に参ってしまい、実家へと戻ってしまった。
父の持病の最後の検診に連れて行って念のため精密検査をしたが、どうやらすい臓がんらしい事がわかった。
すい臓がん自覚症状がほとんど無く、なかなか発見することが難しくて気が付くのが遅かった。
母は治まったはずの最後の頭痛薬をもらうため病院に行き、念のためMRIを撮ってもらうと小さな脳腫瘍がある事がわかった。
A美とその両親は婚約破棄をほのめかしているし、両親は治療で大変な事になることは明らかだった。
泣きっ面にハチ、あるいは弱り目に祟り目、とはこのことを言うのだろう。
考えてみると、あの祠の妙な光を見てから全てが狂ってしまったと思うしかなかった。
この一連の不幸な出来事は全て偶然なのかもしれないが、あの光を見たことが原因だと考えると何となく辻褄が合うような気がする。
ああ、あの光を見るんじゃなかった。
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そんな些細なことで人生が一変する
そもそも祠に祭られてたのは何だったんだろう…?