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呪い・祟り

キミ・ナンヤネンさんによる呪い・祟りにまつわる怖い話の投稿です

見るんじゃなかった
長編 2022/11/21 01:40 9,119view
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その日はいつもよりも妙に寝つきが良く、すぐに熟睡した。

しかし、なぜか突然目が覚めてしまった。

この部屋には時計が無いのだが、辺りはまだ暗かったので、おそらく夜中の2時から3時頃だろう。

とりあえずトイレに行こうと思い立ち上がると、窓の外にぼんやりとオレンジ色の光がある事に気が付いた。

最初は近くの街灯か何かだと思ったが、この辺の区画整理はまだ途中で街灯なんて無かったはずだ。

そう思うと、その灯の光源を無性に確認したくなった。

窓から外を見ると、オレンジ色の光源はあの祠だった。

このあたりはまだ建物や住宅は少なく、祠を見る事が出来るのは多分この家くらいだろう。

つまり、祠の灯に気が付いたのは僕だけのはずだ。

僕は寝ぼけ眼で祠を見ていたが、祠の中の灯が灯っているか、それとも何かの儀式でろうそくでも点けているのか、よくわからなかった。

よく見ると、祠から発していた光は不規則にその明るさを変え、祠の中で光源の位置が微妙に変化しているようだった。

光は、祠の中でダンスでもしているのか、それとも苦しんで暴れまわっているのか、まるで生き物のようにも見えた。

「なんなんだ、あれ…。どうなってるんだ…?」

しばらくその祠を見ていると、突然その灯がフッと消えた。まるで僕が覗いていたのに気が付いて、誰かが慌てて灯を消したかのようだった。

祠の管理や点検をしている誰かが灯を消したのか、それともタイマーとかセンサーで自動的に灯が消えたのか…。

そんな事を考えながら祠やその周辺を見渡していたが、人影などは無いし、灯が消えてからは特に変わった事など何も無かった。

このまま見ていても仕方が無いので、トイレに行った後部屋に戻って来たが、祠の灯は消えたままだった。

再び布団に入ったが、今度は眠れないまま朝を迎えた。

いつものように会社へ行って経理部に入っていったが、部屋が何やら騒がしい。

「部長、大変なことが…!」

部下で平社員のBが慌てた様子で話しかけてきた。

「一体どうした?何かあったのか?」

「実は、係長のCさんが横領していたようです…!」

「どういう事だ!?」

話をまとめるとCの横領は本当で、社内の監査部の調査で発覚したようだ。

僕はCを完全に信用していたが、その手口は巧妙で僕には発見できなかったのだ。

幸い発見が早かったもののその額は数百万円あり、会社の規模からすると大きな額ではなかったが、経理部の責任問題となった。

当然僕は管理責任を問われ、退職せざるを得なかった。

そうなると、いずれ家のローンも破綻するのかもしれない。

そんな時に悪いことは重なるもので、A美は流産してしまった。

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コメント(1)
  • そんな些細なことで人生が一変する
    そもそも祠に祭られてたのは何だったんだろう…?

    2022/11/21/21:23

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