前回、祖父の遺影のお話をさせていただいた者です。
当時恐ろしい体験の最中に奇妙な歌のようなものが聞こえてきたという話をさせていたただいたのですが、中学生だった当時から歌詞などは解らないのですが、そのお経にも似た独特の歌い回しがずっとに耳に残っておりました。
その後、私が26歳の頃に祖母が亡くなりました。
通夜と葬儀のため、私は両親や兄妹たちと祖母の元へまいりました。
通夜の晩、私は兄妹たちと食事をとっていましたが、両親や親戚たちは通夜の訪問客に対応していました。
しばらくすると、通夜の席からなにか歌のようなものが聞こえ始め、その瞬間、それはあの夜に聞こえてきた歌だとわかりました。
私は急いで歌の正体を確かめるために通夜の席に戻りました。
そこには何人かの女性が鈴などを鳴らしながら、祖母の遺体の前で歌っておりました。私は訳がわからず、最後まで立ち尽くしたまま聴いておりましたが、後で親戚に聞くと、それは『御詠歌』と呼ばれるものでありました。
お経を歌にしたようなもので、間違いなく、あの夜に私が聴いた歌でした。
何故それがあの夜恐怖の体験の最中に聴こえてきたのかは30年以上経った今でも分かりませんが、あの夜に体験した事はきっと祖父からの戒めであったと思っています。
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