中学の修学旅行で東北に行きました。
短時間ではありますが市内の自由観光時間があり、私達のグループは湧き水を飲みに行くことになりました。
目的地に向かったところ、先客がおり
「よう!嬢ちゃんたちは修学旅行生かい?」と、機嫌よく話しかけてきました。
少し立ち話した後、去り際に「ああ、そこの道の奥のところ、曲がらない方が良いぞお!」とおっしゃり消えました。からかってるのかな?とも思いましたが、なんだかぎこちない言い方で少し不安になりました。
集合時間が近づいていたため、我々も急いでこの場を離れようとしました。が、困りました。集合場所へ向かうには、先程言われた道を進むしかなかったのです。迂回もできますが、時間が…。
不安ではありましたが、道の奥の曲がり角を曲がって進むことにしました。道の奥まで来て、曲がり角を見ましたが、何の変哲もないただの路地でした。
拍子抜けし、そのまま路地を進んでいたのですが、道の途中でやけに目のつく場所がありました。
左手に道幅の狭く長い階段です。
異様に古臭く、なにかの歴史的建造物の名残かな?と思うほどでした。
ふと気になり、階段の奥を見上げると、そこには
色も剥げ、朽ち果て、崩れ落ちている鳥居がありました。
先に路地を進んでいたクラスメイトに名前を呼ばれ、慌てて目をそらし路地を抜けました。
集合場所へついたあと、同じグループの子に鳥居を見たか聞きました。
しかし、皆一様にこういうのです。
「路地に階段なんてなかったし、そもそも湧き水のところにヒトなんていたっけ?」
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