うさぎの脚
投稿者:繭 (42)
短編
2022/10/04
23:03
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中学生の頃の話です。
当時私は県内の中高一貫女子校に通っていました。
中2の一学期、席替えで前の席になったA子はぽっちゃりした可愛い子でした。彼女は占いやおまじないが大好きで、暇さえあればネットや雑誌で仕入れたネタを教えてくれました。
特に好きなのが恋占いで、片想いが叶うおまじないを積極的に試みていました。
「A子は誰が好きなの?」
「数学のK先生」
K先生は若くイケメンな男の先生で、A子以外にも大勢の女子生徒が憧れていました。
「競争率高いからフツーのおまじないじゃ効かないかも」
「大丈夫、奥の手があるの」
そういってほくそえむA子に何故かぞっとしたのを覚えています。
数日後、下校の支度を整えA子を誘おうとした時、うっかり机の横に掛けた彼女の鞄を落としてしまいました。
「ごめん!」
慌ててしゃがみ込み、床にぶちまけられた中身を拾おうとしてぎょっとしました。A子の鞄から血にまみれたうさぎの片脚が出てきたのです。
「何これ」
「知らない?欧米じゃうさぎの脚って幸運のお守りなんだよ」
近所の小学校の飼育小屋でうさぎが殺された話を思い出し、耐えきれず逃げ出しました。
その後A子は念願叶ってK先生と交際し始めましたが、ドライブデートの帰りに事故に遭し、二人そろって命を落としました。助手席にいたA子の片手は潰れていたそうです。
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呪いは、「ノロイ」とも「まじない」とも読みます。
意味に大差はないのかもしれないと思います。
うさぎの片足を使った呪いの術式は、聞いたことがありませんでした。
実話、創作関係なく、この手の話にハッピーエンドはありえません。
踏み入れてはいけない世界であることに変わりはないですね。
まじないとは意味分からないけど怖かったです。