猫と話ができるから…
投稿者:繭 (42)
私が小学生だった頃の話です。
当時私の町には野良猫が多く、ゴミ問題や糞害など、問題視されていました。
そして野良猫に餌をあげたりする、いわゆる「猫おばさん」も居ました。
私自身猫が好きで、ある日の公園で野良猫を撫でていると、「猫おばさん」が話しかけてきたことをきっかけに少し仲良くなりました。
両親からは関わらないようにしなさいと注意をされましたが、私は気にしませんでした。
猫の嬉しい時の仕草や怒った仕草なんかを色々教えてくれるそのおばさんが好きでした。
普通のおばさんでしたが、「私は猫とお話しが出来るの。だから猫のこともこの町のことも何でも知ってるの」というのが口癖でした。
ある日私は友人と公園でカードゲームをして遊んでいました。
日が傾き、そろそろ帰ろうとしている時でした。
その友人が近くに居た野良猫に小石や木の枝を投げつけはじめました。
その友人はいわゆる悪ガキでした。
友人の投げた石が猫に当たり、悲痛な声を上げました。
ただただ眺めていた私は怖くなって一人逃げるように帰りました。
それから数日後その友人が絆創膏だらけで学校に来ました。
聞けば猫おばさんに傘で叩きつけられたそうです。
このことは保護者の間でも話し合われました。
私もその場に居たので話を聞かれました。
質問に答えながら、その公園には私と友人以外に誰も居なかったはずなのにと思いました。
日が暮れている公園には私と友人だけ。
もし公園の外から見られたとしても薄暗い中で、何をしているかや顔を確認することは、難しかったと思います。
思い当たるのは、猫おばさんの、「猫と話せるの」という言葉。
友人がしたことを猫から聞いて、おばさんが復讐をしたというのでしょうか。
この出来事の後変わったことが3つ。
1つは猫おばさんをパッタリと見なくなったこと。
2つは野良猫の数が極端に減ったこと。
そして3つ目は友人の傷がいつまでも治らないこと。
地味に怖い
色々不気味な話だ