廃墟探索
投稿者:件の首 (54)
これは大学時代、サークルの飲み会で友達から聞いた話だ。
彼女の住む町には、古い炭鉱跡がある。
昭和中期まで賑わっていたが、爆発事故があり多数の犠牲者を出した事で営業終了した。
彼女が当時通っていた中学校では、夜に鳴るとその施設に化け物が出るとの噂があった。
棲み着いた巨大なヒグマであるとも、地底で生き残っていた古代生物であるとも言われた。
彼女は、仲の良かったグループ4人に誘われ、肝試しがてら施設を探索する事になった。
思い思いに準備をした彼女達は21時にその施設に集合した。
ロープが張ってあるだけのゲートをくぐり敷地に入ると、坑道エレベーターの建屋に踏み込んだ。
所々壁が崩れ、赤さびた鉄骨がむき出しの通路を進み、すぐに巨大なエレベーター区画になった。
坑道へ続く縦穴は、人が落ちないように鉄骨が溶接されて塞がれてはいたが、足一本つっこむ程度の隙間はあった。
何とか底が見えないかと一番明るい懐中電灯を向けたところ、手を滑らせて落としてしまったが、音は返って来なかった。
縦穴に夢中になってい彼女達は、その時、背後に迫っていたものに気付かなかった。
最初に悲鳴を上げたのが誰だったか、それはよく分からない。
光の弱い懐中電灯が照らした影は、とても巨大だった。
誰かが殴りかかった。
全員が護身用に何かしら用意していた為、誰が何で殴ったのかは分からない。
そして、それが怯んだ隙に、全力で逃げていった。
少し調べたが、その炭鉱跡は一見放置されているようだが、経営会社の管理下にあった。
警備員に怒られなかったのか尋ねてみたが、友達は「誰1人いなかった」と、やけにハッキリと言って、話を打ち切ってしまった。
その後すぐ、彼女はサークルをやめた。
彼女とはサークル以外の接点がなかったため、この話にこれ以上の情報はない。
凄く怖いかったです
どどど、どういうこと?
警備員を殴ってそれなりの怪我をさせたのでは?影って大きく映るし