私が子供の頃の話です。
当時私はマンションに住んでいましたが、そこの階段にはいつも不気味な女性が立っていました。
全身黒いドレスを着て髪は長くウェーブがかっていました。
顔は髪に隠れてよく見えません。
私はいつも怖くて家族に「お家出たくない、怖い」と言って困らせていました。
その階段を下りないとマンションから出られなので毎日大変です。
学校へ行く際は目を瞑って母に手を引いてもらいました。
これ程恐ろしいのになぜ誰もこの女性に気付かないのかいつも不思議でした。
ある日学校へ行く際、近所のお兄さんが話かけて来ました。
同じマンションの人です。
「階段の人、見えてても見えないふりした方が良いよ」と言うアドバイスでした。
曰く、あまり怖がって存在を認識している事がバレると憑りつく事があるそうです。
私は一気に恐ろしくなってどうすれば良いのか尋ねました。
1番は無視する事です。
でも私には出来そうにありません。
そこでお兄さんは「怖くなくなるおまじない」と言って私に何か呪文の様なものをかけました。
それ以降、やはり怖かったですがグッと我慢して見えないふりをしました。
そうすると不思議な事に徐々に女の人は薄くなって行き遂には姿も見えなくなりました。
あのお兄さんのお陰と思いお礼を言いたかったのですが、既に引っ越した後でした。
それ以降もごく稀にこの世のものでは無いものを見ますがお兄さんに言われた通り無視する事で事なきを得ています。
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