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意味怖(意味がわかると怖い話)

ねこじろうさんによる意味怖(意味がわかると怖い話)にまつわる怖い話の投稿です

出来れば知りたくなかった父の秘密
長編 2022/09/13 00:47 16,030view
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誰かもう一人いるのだろうか?いや、そんなはずない。
俺は疑心暗鬼になりながら、しばらく立ったまま、耳を澄ました。

「ねぇ、愛菜ちゃんのおうちって、どこ?」

愛菜ちゃん?女の子か?
不思議に思いながら、いると、

「洋輝~!洋輝~!」

妻の呼ぶ声が聞こえてきたので、俺は母屋に戻った。

日が暮れた後、母と俺たち家族は食卓のテーブルにつき、夕食の寄せ鍋をつついていた。
母が、妻に小皿に取ってもらった肉を眺めながら、口を開く。

「本当、あの人は新しもの好きだったのよ」

あの人、というのは、俺の父のことだ。

「そうだな、親父は特に電化製品の新商品、いろいろ買っていたなあ、、、
あっ、そう言えば、あの、、、ビデオ録画するやつ、、、あの、何だっけ、、、ええっと、、、
そうだ!ハンディカム、ハンディカム!
あれ、まだあるの?」

ハンディカムというのは、誰でも簡単にビデオが録れるもので、当時は相当話題になったものだ。

「ふふ、、、洋輝ちゃん、何言ってんの?
あれ、いつも、あなたが使っていたじゃないの」

母が、まるで幼い頃の俺を嗜めるように言った。
確かに物珍しさもあって当時高校生だった俺は、いろんな情景を録画しては楽しんでいたのだ。

すると、

「パパ!」

そう言って突然、大輝が立ち上がり隣の和室の方に走り、しばらくするとまた戻ってきた。
手には何か銀色の金属製の箱のようなものを持っている。
俺はそれが何なのか一目見た瞬間、分かった。
大輝は嬉しそうな顔をしながら、それを俺の目の前に置いた。

「ハンディカムじゃないか」

そう言って、俺は、手のひらに収まるくらいのコンパクトなカメラを、しげしげと眺めた。
少し錆び付いてはいるが、これは紛れもなく数十年前に、父が買ってきたものだ。

「大輝、お前、これ、どうしたんだ?」

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コメント(1)
  • 出来ればそのビデオ売ってほしかったわ。

    2023/07/15/17:19

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