真夜中のドライブ
投稿者:PetShopBoys (2)
短編
2022/09/11
02:15
832view
この話は10年ほど前の出来事です。
その当時は免許を取ったばかりで、ドライブが楽しくて日課になっていました。
その日は、峠やダムなどがあるドライブコースを一人で運転していました。
時間は丑三つ時でしばらく走っていても後続車はもちろん対向車もいませんでした。
道路の脇には古く寂れた民家が数軒ありましたが、人が住んでいるような雰囲気はありませんでした。
このような状況でも怖いという気持ちは全くなく、街灯のオレンジ色が運転経験の浅い自分にとっては非日常感を感じさせて楽しいと思っていました。
しばらく走っていると、三つのトンネルが連続している場所にきました。
最後のトンネルに入る直前に、トンネル出口に自転車を乗っている人が見えました。
こんな時間に自転車に乗ってる人がいるなんておかしいと思いました。
近づいていくにつれ、運転している人は老婆だとわかりました。
乱れた白髪のロングヘアーで服装はボロボロでした。
自分の車も出口付近まできて、自転車の老婆を追い越しました。
なんとなく老婆の顔が気になり、サイドミラー越しに見ようとしました。
しかし、いくら見ていてもサイドミラーに老婆が現れません。
車を停めて後ろを確認しましたが自転車の老婆はどこにもいませんでした。
急に怖い気持ちになり急いで車を発進させて帰宅しました。
自殺の名所近くでいろいろな噂がある場所でしたが、自分が体験するとは思っていませんでした。
前のページ
1/1
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 6票
※コメントは承認制のため反映まで時間がかかる場合があります。