畳の縁を踏んではいけない理由
投稿者:ナナシー (36)
私がまだ若かりし頃、知り合いの紹介から京都でお茶屋さんのお座敷を経験したことがあります。
ビジネスの事は独学で学んでいても、一般常識にはまだまだ自信が持てない自分がいました。
この時も気にすることなく、和室に通された際に畳の縁を踏んでしまい同僚に注意されてしまいました。
確かに歴史のあるお茶屋さんではありましたが、私自身は心の中で“昔ながらの転倒予防の迷信の一つ”でしか思っていませんでした。
しかしながらホテルに帰ってベッドに入り就寝している夢の中で恐ろしいことが起こりました。
その夢は昨晩のお茶屋さんの風景があり、私達が挨拶を交わして座っている際に並びからは見えないお座敷横の廊下の裏手に真っ黒の着物を着た女性が立っており、その女性がずっと座敷を監視している様子でした。
更に夢では帰り際に廊下を通っていく私達の姿が見えたのですが、私のみ真っ黒な着物の女性に会釈されませんでした。
気味の悪い夢を見てしまったと思い、朝食時に同僚に話すとそのお茶屋さんの女将さんが亡くなって間もないことを知り愕然としました。
同時に畳の縁はその家の結界や聖域を意味し、それを踏むという事は格式を無視しした失礼な行為に当たることを同僚から聞いたことで、お茶屋さん・女将さんに無礼を働いてしまったことに後悔の念が止みませんでした。
この出来事以来、京都だけでなくビジネスで出向く地方特有の習わしや作法といったものには気を配り、失礼のないように振る舞うことを心掛けています。
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