パパ活
投稿者:四川獅門 (33)
短編
2021/02/09
16:39
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待ち合わせの夜、彼女のアパートの近くの駅。
程なくして彼女が来た。紺色のタイトなドレスワンピ、思ったよりグラマーだったらしい。
「マジで写メより可愛かった。最初っから興奮がMAX。ちょっとだるそうでぽや〜っとしてるのがまた良いんですよ!」
2人はすぐにホテルへ向かった。
「先にシャワー浴びておいで」
薄明かりの中、バスルームへ向かう彼女の後ろ姿。背中が大きく開いたワンピース。裾から覗く生脚。何もかも想像を掻き立てた。彼女はシャワーを浴びている。その時だった
「ベッドで横になってたら、なんかゴソゴソ聞こえて」
音の方に視線をやる。ベッドサイドのラックに置かれた彼女のバッグだ。真っ黒な革のショルダーバッグ。
「バッグが小刻みに動いてるんですよ。音をたてて。そしたらラックから落ちたんです」
『グチョ』
濡れた服を落とすような音がした。バッグからは何か液体が溢れ出ていた。
「そしたら何か、転がって出てきたんですよ……」
だらしなく口を開けたバッグから何かが出てきた。
赤ん坊だ。赤黒い。
「ひっくり返った虫みたいにもがいてるんです。俺の目を見て泣くんですよ」
『 ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙』
村田さんは自分の財布から2万円を取り出してベッドの上に置いて逃げた。それからはソッチの調子が悪いらしい。
「お祓い?行きませんよ。お金出すなら大人5でしょ!」
彼はきっと大丈夫だろう。
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おお、不安の種方式…
東京住みだから興味そそるなぁ…