追いかけられる夢
投稿者:八尺マン (46)
短編
2022/07/17
17:53
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その顔は
その顔は
その顔は母親だった
ひどく歪んだ顔で、自分を睨んでいる
「お前さえいなければ・・・!!」
お前というのは俺のことだろう
俺が
俺さえいなければ
ここで現実に戻る
追いかけてきていたのは俺の母親だった
多分、これはただの夢じゃない
昔、本当にあったことだ
俺は母親に殺されかけた
多分、生活が苦しくなって、お金のかかる俺が邪魔になったんだ
それでどうなって殺されずに済んだかはわからない
確かなことは
お金のことになると母親はおかしくなる
ということだ
そして、おそらく、それは今も変わっていない
今になって昔の記憶が夢になって蘇ったのは警告だったのだ
自分の中の自分が警告を発したのだ
俺は自分のアパートに急いだ
引っ越しをしよう
母親が知らない場所に逃げよう
アパートに着くと、入り口に人影があった
母親だった
その顔はひどく歪んでいた
「お前さえいなければ・・・」
母親はつぶやくように言った
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