事故物件に住んでた時の話フォーエバー
投稿者:ジョンガリ (8)
そんなA を見て俺がケラケラ笑っていると、急に肩を引っ張られた。
見るとB が顔を真っ青にして俺の肩を引っ張っていたのであった。顔が青いのは酒のせいでは無い と俺は感じた。
「ジョンガリさん……あれ………」
と言って指差した方向を俺は見た。砂浜に足跡のようなものが見えた。
一気に血の気が引き、酔いも覚め、俺はその足跡のようなものを注視した。
後ろの背景の海が黒いせいでよく見えなかったが、黒っぽい影が二つ、肩をつけて隣り合って立っているように見えた。
まさに膠着状態、俺もB も雰囲気に呑まれて一言も、そして微動だに出来なかった。
そして風が凪ぎ、波が静かになった瞬間、その膠着は一気に解かれるのだった。
片方の黒っぽい影が ゆらゆら と揺れたと思うと、ザクッという音と共に足跡の半歩前に新たな足跡が出来た。
俺とBは猫のように飛び上がり、踵を返して走った。Aに走るよう促したら転んでしまったため、俺とBで両肩を支え、三人四脚の格好で走った。
お荷物状態のAは俺たちの間で アウー と唸りながら足を引きずられ、砂浜に轍を作っていた。
時間も忘れて走り、砂浜から道路を歩こうとなったタイミングでジーマを買ったコンビニが見えたため、俺は後輩二人にここで待てと言いジーマの空き瓶を捨て、代わりに2lの水を買って戻り、Aに飲ませた。
俺とBが二人で怖かったなぁと談笑してると、水を飲んだAが落ち着きを取り戻してきた。
Aに、俺たちは幽霊を見たこと、お前が足手纏い過ぎてよっぽど捨てて行こうかと思った事を冗談混じりに話し、悔しがるAを笑いながら俺たちは民宿に帰っていった。
俺たちは民宿に着き、フロントの自販機でジュースと酒を買っていると女将が話しかけてきた。
東京から来たのかとか、大学生かとか、観光かとか聞かれたので、心霊スポットに行くために来ましたと言うと、女将が「あぁ…」とちょっと寂しそうな声色で言った。
俺はオカルトにアンテナ張ってる奴らだけじゃなく、地元民にも有名な場所だったのかなと思い、女将に心霊スポットのいわくを聞くと、俺たちは女将の「あぁ…」の真意を知った。
内容は以下の通りである。
あの場所ではダイビングが盛んだったのだが、ライセンスを持ってるあるカップルがある時潜ったらしい。
酸素が半分になったため砂浜に戻ろうとすると彼女の方の背中のタンクだか足だかが岩に挟まり、身動きが取れない状態になってしまったそうだ。
彼女は彼氏に(自分を見捨てて)上に上がれとハンドサインしたらしいのだが、彼氏は彼女を見捨てる事なく最後まで彼女を助けようと試みたのだが、ついには酸素が尽きて二人とも溺死してしまい、それ以降その場所ではその死んだカップルの霊が出るようになったというものであった。
文才あるなー。作者さんの次回作楽しみにしてます!
面白い🤣
作者さん酒好きねw
むしろお酒の話を楽しみに読んでいる自分がいる。
心中しても一緒にはなれない、霊に霊は見えないからとかも聞くけど、死んだけど手を繋いで意思疎通ができるならいいな。ただ救われてない、成仏できてないから出続けるんだろうから、その辺は悲しいけど。
お酒はほどほどに。体壊して体は遅いし、血を吐き続けて死ぬなんて嫌でしょう。