事故物件に住んでた時の話フォーエバー
投稿者:ジョンガリ (8)
神奈川を抜けて静岡に入ったのもそこそこに俺たちは民宿に到着し、貴重品を身に付けて着替えなどの荷物を部屋に置いて鍵を閉めて部屋を出た。
人当たりの良さそうな、というか実際良かったおばちゃん女将に軽く挨拶をしてから俺たちは伊豆の観光に向かった。
昼食は、伊豆の名産が良くわかんなかったので俺たちは三人で蕎麦を食べ、その後よくわからん神社とか、でかい湖、ちょっとレトロな博物館みたいな場所に足を運んだ。
夕方、男三人でちょっと気色悪いけど買ってきた花火をした。
そしてダース単位のバドワイザーと地酒(めちゃくちゃ旨かった)と安い焼酎を旅の楽しさを肴に浴びるほど飲み、日が沈む頃には俺は真っ赤に、Bは青ざめ、Aは血の気が引いて真っ白の顔になっていた。
宴もたけなわ、時間もバッチリ、コンディションは上等、いざ鎌倉といわんばかりに俺たち三人はその心霊スポットに足を運んだ。
星が出ていて、月も出てたのか明るくて夜の海は綺麗だった。
酒のせいで上機嫌の俺は、砂浜に落ちているゴミが許せなくなり、それを拾ってわざわざコンビニまで捨てに行き、そのコンビニで新たに3本ジーマを買って戻った。
戻るとAが砂浜に胃の中身をブチまけていた。
折角俺が綺麗にした砂浜を…と思ったが、とりあえず水が無いからこれで口をすすげとAにジーマを渡したらまるで松田優作の様にジーマを口から噴出し、「焼酎だコレ…」と訳わからん事を言っていた。
それがどうにも面白く、俺は涙を流し腹を抱えながら笑った。
千鳥足で砂浜を歩いていると、ようやく件の心霊スポットに着いた。
記憶してる限りだと岩場?みたいな結構ゴツゴツした岩があった場所の近くだったように思える。
近くでダイビングのレンタルがあるんですよ、と後輩のどちらかが言った。
俺はダイビングもいいなぁと思ったが、折角心霊スポットに着いたのだからと真剣に幽霊を探し始めた。
Bが聞くところによると霊感の無い俺らみたいな奴等にも見えるほど幽霊に出くわすこと、
海の近くだからか びしょびしょの男女二人の幽霊が見えるということ、
そして霊感が強い人は会話まで聞こえてくるとの事であった。
俺は酒のせいで気が大きくなっていたのか、「会話まで聞こえるのか…面白くなってきやがった」と思い、大声で「出てこいや!!」と髙田延彦のモノマネをした。
そしたら B と髙田延彦モノマネ対決になり、二人で「出てこいや!!」を2、3ラリーほどした。
夜の海は静かで、その後の沈黙にちょっと気まずさの様な、怖いような感覚に陥った。
俺は、本当に幽霊が出てもいざとなればジーマの空ビンでグシャーよと思い、ジーマを飲み干して握った。
さっきから一言も喋らない A が気になり、ふと後ろを見ると、A は目が虚ろで、月明かりに照らされた顔が異様に白く、口が半開きであった。
俺は、A は霊に憑かれたか!と思いジーマを握る手に力が入ったが、普通に酒のせいだった。
文才あるなー。作者さんの次回作楽しみにしてます!
面白い🤣
作者さん酒好きねw
むしろお酒の話を楽しみに読んでいる自分がいる。
心中しても一緒にはなれない、霊に霊は見えないからとかも聞くけど、死んだけど手を繋いで意思疎通ができるならいいな。ただ救われてない、成仏できてないから出続けるんだろうから、その辺は悲しいけど。
お酒はほどほどに。体壊して体は遅いし、血を吐き続けて死ぬなんて嫌でしょう。