「何か」が見えてしまう
投稿者:おつまみ (20)
わたしが小学生の頃の話です。
私の住んでいたところは団地が沢山建ち並ぶ住宅地で、ご近所付き合いが頻繁にありました。
わたしも、同級生とそのお姉さんと、さらにその同級生の何人かとお互いの家を行き来して遊んだり、親同士も仲が良かったので、「こういうことがあったみたいだよ」という噂話もよく聞いていました。
その中の1人である「みかちゃん」に、どうやら霊感があるらしいというのも、よく母親づてに聞かされていました。しかし、本人からそのような話を聞かされたことがありませんでしたし、あまり気にとめていませんでした。
そんなある日、その出来事はおこりました。
豪雨だったので、いつものメンバーはみかちゃんの家に集合し、人形遊びをしていました。
雨のせいで暗かったのでカーテンを閉め切って電気をつけ、雨の音がうるさかったからかCDプレイヤーで音楽をかけていたのですが、その音楽が何度か途切れるようになりました。
もしや停電かなと雷を確認するために、ひとりの子がカーテンを開けた時、突然みおちゃんが叫び出したのです。
「あけないで!」
普段クールなみかちゃんの大声に只事ではないと感じ、皆でみかちゃんを落ち着かせようと話を聞くと、窓の向こうに何かいる、見てる、と言われました。
カーテンを開けた子は特に何もいなかったと言ったのですが、まだ幼かったので皆怖くなり、みかちゃんのお母さんが帰ってくるまで待っていました。
帰ってくる頃にはみかちゃんも落ち着いており、お母様に話をすると、みかちゃんも何があったか話してくれたのですが、どうやらいつものように「何か」がいることを感じており、開けると見えてしまうので怖かったと言うことでした。
その後みかちゃんは引っ越しをしましたが、それ以来全く見えなくなったそうです。
今でも、あれは夢だったのではと思うほど、不思議な出来事でした。
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