娘には見えていた小人の友達
投稿者:おつまみ (20)
私の娘は、小さい頃から小人が見えます。小人と言っても、話を聞くと、5cm位とのこと。最初に聞いたのは娘が幼稚園の頃でした。冷蔵庫脇の10cm位の隙間からたまに出て来て、様子を見に来てまた戻っていくということでした。
私は、娘が小さかったこともあり信じていませんでした。それからも、今日小人出て来たよ。という話がたまにあったので、小人について色々聞いてみました。
黄色の帽子をかぶっているらしく、顔はおじさんだそうです。会話はしないみたいなのですが、お互いテレパシー?のような、話さなくても意思疎通は出来るようでした。私は、娘の話がぶれないのと、小学生になっても小人の話をするので、家には本当に小人が住んでいるんだと、信じるようになりました。
それからは、「小人が出て来たよ。」と言った時はどんな話をしたか等、色々聞くようになりました。家にいる小人は、普段はこことは違う世界に住んでいて、我が家に通じる扉の色と外に出る扉の色が似ていて、間違えて、こちらの世界に来てしまうことがあるということでした。
私は、なんてメルヘンな話!!と思いながらも、すごく興味深い話だといつも真剣に聞いていました。娘はその小人と仲良くなっており、その小人を「ポンちゃん」と呼んでいました。
ある時、娘が、「ママ、ポンちゃんが来てるよ!」と言ったので、私は「どこ?」と探しましたが、娘が指を指すところにはポンちゃんはいませんでした。そう、私には見えなかったのです。娘にしか見えていないのか。ちょっと残念な気持ちになりました。
娘が小学4年生になり、スポーツクラブに入ったことで家にいることが以前より少なくなり、ポンちゃんを見かける回数も減っていきました。
そんな冬のこと、家に帰ると娘が泣いていたのです。「どうしたの?」と聞くと、「ポンちゃんともう会えなくなっちゃった。こちらに来る扉が壊されてしまうんだって。」と言いました。私は娘を慰めましたが、娘は最後にお手紙を書くと言って、1cmほどの正方形の紙に、「あえてよかった」と書いて、冷蔵庫脇の隙間にしばらく置いていました。
私も毎日手紙があるか確認していましたが、ある日その小さな紙がなくなっていたのです。娘に「お手紙なくなっているよ!」と伝えると、娘は「会えなかったけど最後に来てくれた。」と喜んでいました。小人は手紙を持って行ってくれたのでしょうか。娘はもう高校生。今でも私と娘は、あの頃の不思議な体験の話をします。信じられないようなことって意外に身近で起きているものです。
小さいおじさんとか小人って本当にいると思う