エレベーターの鏡
投稿者:キミ・ナンヤネン (88)
短編
2022/06/14
22:24
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しかし、俺が乗ってきた時とは何かが違っていた。
「おい、D、鏡が…。」
俺はそう言うと、
「ああ、このエレベーターには鏡なんて無いんだよ。」
「そんなバカな…!」
Dが言う通り、確かにこのエレベーターには鏡など無かった。
俺は何かに化かされたような気分でエレベーターに乗り込むと、すぐに1階へと着いた。
エントランスで
「そういうのあんまり気にすんなよ。」
Dはこう言うと
「ああ…そ、そうだな。じゃあまたな。」
俺はそう返事をし、もうこのマンションに来ることは無いだろうな、と思いながらDと別れた。
駅に着いて電車に乗ると、Dのマンションが「事故物件検索サイト」に載ってないかスマホで調べてみた。
その予感は的中した。
マンションには炎のマークがあり、何かしらの事件や事故があった事を示していた。
その炎のマークをタップすると、
「令和〇年〇月〇日、小学3年生の男児が虐待を受け死亡」
という書き込みがあり、その部屋番号は「501」だった。
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