そこから何が見えますか?
投稿者:TOHA (18)
結婚。
「今まで育ててもらった母と姉妹達と離れて、夫の姓に名前も変わり、夫の家族の一員になる。」住んでいる地域も違うし、生活環境も違う…不安だらけな中で、不思議な風習を体験しました。
私が結婚したのは24歳の時。
父親が通っている床屋さんで、私の父を担当してくれていたのが当時27歳の夫でした。
私が美容師ということもあり、話も休みもあいすぐに意気投合しグループを作って釣りに行ったりゴルフへ行ったりと楽しい時間を過ごしました。
自然の流れで知り合って半年でお付き合いをし、1年後には結婚となりました。
その夫の実家は千葉県千葉市の真ん中だけども、周りには畑や田んぼが多い田舎町にあります。
元々は農家の家だったようで、「本家」を中心に家が建っており、本家から別れた「分家」があり、義父の弟家族や義父の妹家族、義父の従兄弟達も皆近所で暮らしています。
ですので、夫の実家の周りには同じ名字が多いのです。
特に驚いたのは、歩いて7分くらいの小さな『丘』と言ったほうが良いのか、『山』までは大きくはありませんが登って行くと辿り着くお墓です。
見事に同じ名字が多いです。
でも、「全部が親戚ではねぇーだよ」と、義父が教えてくれました。
大昔に名字をつけてもらう時代、ここら辺一帯をまとめて同じ名前でまとめたのでしょうか・・・?
そんなお墓でもう一つ気になる事が…。
お墓の中心辺りにお地蔵様が沢山のお花に囲まれるようにあるのですが、何故か一体のお地蔵様だけ上向きで倒れているのです。
80歳の義父にそのことを聞いても「知らねぇだよ。俺が子供んときから倒れちょる。でも、起こしたらダメだ!祟りでやられるぞ!」と…。
そして、納骨の時にはお坊さんがお経を唱えながら、参列者一同を後ろに引き連れてその倒れているお地蔵様の周りをぐるぐる回るのです。
何周も何周もぐるぐると。参列者一同がぞろぞろと…。
「なぜ?」と夫に聞いてもわかりません。
でもその風習が当たり前のようで、誰も何も気に留めないのです。
結婚当初不思議に思っていたことにも慣れて気づいたらすっかり夫の家族の一員になっていました。
倒れているお地蔵様にお花やお線香をあげるのも当たり前になりましたが、23年経った今でも、誰に聞いても「知らない。起こしちゃダメよ!」と全く話してくれません。
私は、ただまっすぐと上を向いて10年・20年・50年・80年・100年・・・と、ずーっと同じ空を見上げているお地蔵様に「眩しくないですか・・・?そこからは何が見えますか?」と聞きたくなるのです。
倒れてるお地蔵さん、不思議ですね
そして最後の投稿者さんの発想もなんだかほっこりしました