真夜中のブランコ
投稿者:せいぎ (10)
仕事が立て込み、日付が変わるまで残業して、ギリギリ終電で家に帰ったある日のことです。
いつもの通勤ルートの傍らにある、ちょっと広めの公園で、小学生ぐらいの男の子がブランコを漕いでいるのが横目に見えました。
仕事で心身共に疲れ切り、普段から気が滅入っていた私は、「こんな時間まで気楽なものだ」と、半分イライラしながら無視して通り過ぎたのですが、
家に帰って少し冷静になってから、「流石にこんな真夜中に1人でブランコなんておかしい!」と思い、もう一度出かけて公園に向かいました。
それは、「子供がこんな時間に1人でいるのは危ない」という思いからであり、その時は幽霊だとか、そんな発想は頭にありませんでした。
ですが、いざ公園についてみると、そこに男の子の姿がないにも関わらず、ブランコだけは依然、一定のリズムでゆっくりと前後に揺れていたのです。
次第に、背中にゾクゾクするようなものを感じ、私は半狂乱になって走りながら自宅に戻り、家中の電気をつけてシャワーも浴びず、毛布にくるまって震えました。
ちょうどその頃、私は仕事の疲れから、「死にたい」などという言葉を安易に漏らしていました。
それで、そのブランコの男の子が早とちりして迎えに来たのだと、私はそう確信しました。
「死にたくない、死にたくない!」私は誰かに叫ぶように毛布の中で繰り返し、いつしか、気が付いたら朝になっていました。
昨日のことが夢だったのか、疲れが見せた幻だったのか、ボーっとした頭では理解しきれませんでしたが、
それ以来、私はあちら側の住人に勘違いされそうな言葉を、安易に口にしないことに決めました。
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