人間の怖さを知った日
投稿者:ナタ (21)
僕が小学一年生の時の話です。
僕の小学校までの通学路は、歩いて30分ほどの距離でした。
朝は登校の班があり、上級生が先頭になって、2列で学校まで歩いて行きます。
帰りは朝のような班は無く、自由に友達と家に帰ったり、1人で家まで帰ったりする事が多かったのですが、ある日の出来事です。
その日は友達と2人で学校から歩いて帰っていました。その友達とは同じマンションに住んでおり、通学路は長い長い一本道をひたすら歩くという感じでした。
かなり長い一本道なので、その一本道の先の景色がよく見えました。
いつものようにその一本道を歩いていると、少し離れた後ろの方から、謎の大人の男が全力疾走している姿が見えました。
その男は一本道を真っ直ぐこっちに向かって走って来ます。僕達は驚き、焦りながらも慌てて走って逃げました。
しかし相手は大人です。しかもよく見ると手に刃物のような物が。
それを目にした瞬間、冷や汗をかき、ひたすら夢中で家に向かって走っていました。もう後ろを振り返る余裕もありませんでしたが、足音で徐々に男が近付いてきている事が分かりました。僕と友達は何とか一本道から逸れた場所へ逃げ込み、男の視界から消える事に成功しました。
ビクビク震えながら何とかマンションの自室まで帰り、次の日に学校にその出来事を報告しました。
報告してからは僕らの地域にパトロールが見回るようになり、安心して登下校出来るようになりましたが、よく聞く不審者というものを、初めて実際に目にした時はとんでもない恐怖でした。
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