カーナビ
投稿者:ナタ (21)
短編
2022/10/18
02:41
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これは俺が小学生の時の話である。
当時小学5年生だった俺は、4歳年下の妹と、両親の4人家族で遊園地に遊びに来ていた。
その遊園地には、車で1時間以上かかる為、父親がカーナビに目的地を設定しながら車を走らせていた。
問題は帰り道だった。行きは何の問題も無く、遊園地に着くことが出来たのだが、帰りに父親がカーナビに自宅の場所を設定するも、なかなか家に着くことが出来なかった。
それは、カーナビがどう考えても違う道に案内してくるからであった。父親は今カーナビの言う通りに進んでも絶対に帰れないと言いつつ、自分の感覚で道を進むも、やっぱりそれでは道がハッキリとは分からない。
1回ちゃんとカーナビの言う通りに道を進もうとなったのだが、カーナビが案内していたのは、海だった。
父親は海から離れようとするも、カーナビは続けて海に車を沈めようとしてくる。
カーナビの機械音の声で海に案内されるのはとても怖かった。空は暗くなり、それでもカーナビは真っ暗な海へと車を沈めようとしてくる。このままでは埒が明かないので、結局父親が自分で道を探して帰ることになった。
段々と自宅に近付き、見慣れた道が現れるようになっても、カーナビは海の方向を案内し続けていた。
あのしつこい機械音声は今でも忘れられない。
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カーナビと車自体が事故車だったのか・・・