峠のライダー
投稿者:キミ・ナンヤネン (88)
短編
2021/01/30
23:54
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俺はバイクで峠を攻めるのが好きだ。
調子がいい時は必ずと言っていいほど、いわゆるランニングハイならぬ「ライディングハイ」といった状態になる。
どんな状態かと言うと、体はバイクに乗ったままで頭だけが高い所から自分の体を見ている感じだ。
例えるなら「幽体離脱」とても言えばいいのだろうか。
そのおかげか、この峠の路面の微妙な変化や、すれ違うであろう対向車でさえ予測できるようになった。
普通のライダーはそんな事はできないから、どうしてもスピードは遅くなり、コーナーも攻めきれない。
仮にもここは一般道だから、もちろんそれでいい。そもそも、峠を攻めるなどバカげている。
それをわかってないやつが多すぎて、ここでは何人も死んでいるのだ。
今夜もいつものように峠を走っていると、何人ものライダーが走っていた。
今日来た奴らは、なかなか調子よく攻めているようだ。
しかし何だ?すれ違うやつすれ違うやつ、俺を見て驚いている様子だ。
そうか、自分では攻め切れているつもりでも、速すぎる俺の走りに驚愕しているのか?
驚きすぎて事故なんか起こさなければいいんだが、ちょっと心配になってきた。
そう言えば、この峠は首なしライダーが出る事で有名らしい。
そんなに有名なら、俺も一度くらいは遭遇してみたいものだ。
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うーん すれ違うライダーが驚いてるのと首なしライダーが今一繋がらないんだなぁ
理解力なくて すまんな
ごめん 読み返したら解った
ランディングハイに掛かってたんやな
俯瞰で自分の体見えたら首ないの気づきそうだけどなw