予言者Fさんの手帳
投稿者:あかりさん (6)
短編
2022/04/11
21:11
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大手の全国展開している老健施設に勤務しています。
私は二人配備されている看護師として恒例の入居者の健康管理を主にしています。
その他の日常の高齢者の生活のアテンドは10人程度いる介護士が行っています、
介護士の中にFさんという女性がいて、この人が霊感の強い人で、我々職員の中では公然の秘密にはなっていました。
これから起きること、いわゆる予言的なことをするし職員の体調不良を誰も知らないのに言い当てたりするのでした。
相談事を兼ねて、迷っている時にFさんに相談したら、きっちりと方向性を出してくれるので重宝しているという一面は確かにありました。
ただ予言の方は、黙っていればいいものをFさんは、みんなの前で言うので問題になることもありました。
施設長が解雇になるときも、事前に口にして施設の中で大騒ぎになり、波風が立ちました。
施設長が使い込みをしていたのでした。
高齢施設なので、入居された方はだいたい平均5年程度で治療のために病院にかわるか、この施設内で亡くなります。
Fさんの手帳には、そのことが記されていて、何月何日に***号室の誰それさんが 死去、退出と記載されています。
たまたま、本人が手帳を忘れて帰って、それを宿直の職員が見てしまったのでした。
その日から、数か月たちましたが、しるしの付けられた人たちは、全員Fさんの予言した日の前後に亡くなっています。
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