空白の18年間
投稿者:音松 (11)
家が見えたあたりから後ろには昨日とは別の男の人が居た。
だが、この男の人が怪しいとはそれほど感じていなかった。
だって30分も歩いていれば誰かしら後ろに居るなんてことはあるから。
家の敷地内に入り、なんとなく後ろを振り返ったら男の人はいなかった。
外階段を上がって玄関の前でランドセルから鍵を取りだし、家の中に入った瞬間インターホンが鳴った。
さっきまで私の周りには誰1人居なかったため驚きと恐怖で体がビクッとした。
小学生ながら危険を察知した私は静かに玄関の鍵を閉めて覗き穴から外を確認。
顔は見えなかったが、誰かが玄関の近くに立っていることだけは分かった。
家の中の電気をまだ付けていなかったため私は居留守を使った。
再び鳴らされるインターホン。
私は覗き穴から外を確認するも一向に顔が見えない。
男「おーい!」
大きな声で声をかけてきたのです。
男「居るのは分かってますよー!」
そう言いながら玄関を何度も叩いてきた。
本当に怖かった。
居留守を使っている私に男の人はこう言った。
男「今1人だよね?何でも知ってるよー!」
男「昨日帰り遅かったみたいだけどあんな時間に1人で帰るのは危ないよー!」
男「お父さんはいつ帰ってくるかな?もしかしてお姉さんの方が先に帰宅するかな?」
私の家のことをよく知っていた。
そして昨日の男の人とこの男の人は仲間だったのです。
それから10分程が経過し、男の人は居なくなった。
子供ながら家族に心配をかけたくないという気持ちが強かったため、姉にも父にも2日間のことを話すことができませんでした。
−1週間後−
日曜日の朝9時過ぎ、インターホンが鳴った。
私「はーい!」
そう言って玄関に向かい覗き穴で確認をすると、スーツを着た男の人が2人立っていた。
玄関越しに「どちら様でしょうか?」と尋ねると、「行政センターの者です。ちょっとお話よろしいでしょうか?」と言われ、私は玄関を開けた。
なぜ私が行政センターの職員だと信じたかというと、家から徒歩5分程のところに行政センターがあったため、不審に思わなかった。
18年もの間、子供と離れ離れで働かされてたとかかな
どんな気持ちだったのだろう
こうなりたくないな
可哀そう