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心霊

エフエムさんによる心霊にまつわる怖い話の投稿です

靴で遊ぶ女の子
長編 2022/03/21 18:50 2,499view
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小さな頃からお盆の時期になると、父方の祖父母の家に帰省するのが通例の我が家。
その年も私含め家族5人で帰省しました。
親戚も続々集まり、みんなで食べて飲んでわいわい楽しい時間を過ごしていました。
夏ということもあり、蒸し暑くて少し外の空気を吸おうと私だけ外に出ました。
近くにいた妹だけにちょっと出てくると伝えました。

祖父母の家は田舎の海端にある町で、入り組んだところに位置していて、車が一台どうにか通れる道幅が真っ直ぐ続き、その先少しカーブして大きな通りに出られるというところでした。
街灯もほんのりオレンジに光る明かりが2つほどしかなく、ほぼ暗闇でスマホの灯りを頼りに歩いていきました。

1つ目の街灯のところでなぜか後ろから呼ばれた気がして振り返りました。
しかし、誰もいません。辺りはシーンとしているので、確かに私の名前を読んでいたような気がしました。
考えすぎかなっと思い、そのまま歩くことにしました。

すると先の街灯の下になんか黒い影のようなものがあるのです。人かな?影?なんだろう……っと思いながらその街灯の方へ向かって歩いていきました。

近づくにつれはっきりしてくるその影は、小さな女の子でした。おそらく5歳くらいの女の子。
ハッキリは見えませんが、何となく感じると言う方が正しいかもしれません。
しかし、そう感じた時は割と近づいてしまっていて、私が気付いたことに女の子も気付いたようでした。
恐怖がおそってきて、急いで祖父母の家に走りました。
無我夢中の中、その女の子が走ってついてきてるのがわかりました。
ようやく祖父母の家の玄関につき、玄関をあけて中に入りました。
昔の家なので玄関は薄暗く、高い玄関上がりがありました。障子をあけるとすぐ居間なので、障子から少し明かりがもれてほんのり足元を照らしていました。

慌てて靴を脱ごうと下を見た時、女の子が足元にしがみついていました。
恐怖で叫び、靴を脱ぎ、居間に入るとみんなが驚いた顔で私を見ていました。

そこで今あったことを話しました。するとその町に住む祖父母や親戚が青ざめていくのを感じました。
しかし、妹や従兄弟などから気のせいだとからかわれ、私も最初はそんなことないとムキになっていたのですが、段々あれは気のせいだったのではと思うようになったというか、気のせいだと思うことにしました。
祖父母や親戚の表情が気になりつつも、その日は祖父母の家に泊まることになっていたので家族みんなで一部屋に寝ました。
夜中目が覚めてトイレに行こうと思ったのですが怖くて行けず、隣で寝ていた妹を起こしてついてきてもらうという姉としては恥ずかしい有り様。
全く怖がりではない妹も、ちょうど行きたかったようで丁度良かったねーと話しながらトイレを済ませました。
すると玄関の明かりがついていたので、誰か消し忘れたのだろうと妹が消しにいきました。
その時『お姉ちゃん、靴は??』っと聞いてきたのです。
『え?』と返すと『お姉ちゃんの靴ないよ』っと。
慌てて玄関に行くと確かに私の靴がないのです。

さっき外に出た時は確かに履いていたような……
『お姉ちゃん間違えて履いて出ただけじゃない?』という妹に『いやいや、それでもないのはおかしくない?』っと返しました。
『ちょっと外見てみようか』っと妹が言うのですが、私は怖いのでお願いしました。

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