夜中のおままごと

小さい頃、6つ下の妹が起こした怖い話です。
当時、父と母と私、妹でお寺の裏の小さなアパートに住んでいました。

ある晩、話し声が聞こえたので起きると妹がお寺の方の窓辺で1人でおままごとをしていました。
私は遊んでいるだけだろうと、気にせず寝ました。翌朝母に話したのですが、母も気に止めていませんでした。

しかし、その夜中のおままごとが連日連夜続いたのです。
元々その場所は妹がよくナニカを視る場所でもありました。おじさんがいたり、お姉さんがいたり、怖がったり…
そんな場所で夜中におままごとをしている…

ある日気になった母が誰とおままごとをしているのか聞くと｢○○ちゃん｣としっかり答えました。

しかし、そんな名前の友達はいません。テレビで見たのか、何かで知り得た名前なのかなと思っていたのですが、その夜中のおままごとはずっと続くのです。
きっちり夜中に起きて、おままごとをしてその名前を言いながらやり取りをする…
止めても夜中に起きておままごとをする…おままごとの途中でやめさせて布団に連れ戻す時に必ず｢バイバイ｣っと言う…
父も母も私も不思議に思いながらもどうすることもできませんでした。

ある日離れた駐車場に向かう道でお葬式をしていました。その名前に書かれていたのが妹がおままごとをしていた女の子の名前だったのです。

後に母から聞いた話だと、女の子はお風呂場で溺れてしばらく意識不明だったそうで、その後意識が戻ることなく亡くなったそうです。
全く同じ名前の見えない女の子と夜中に遊ぶ妹……

お葬式が終わり、しばらくしてから夜中のおままごとは自然になくなりました。

成仏したのか、連れていけないとわかったのか……いまだに我が家では不思議だったねと話す話です。