靴で遊ぶ女の子
投稿者:エフエム (3)
しばらく経つと妹の叫び声が聞こえ、急いで玄関に入って来ました。
『どうしたん!?』っと聞くと『いや……』っというだけで私の靴があったのかなかったのかも言わず『いいからもう寝よう』と言うのです。
妹の叫び声で母が起きてきて何をしてたか聞かれたので今の出来事を話すも、妹はもう寝ようの一点張りでした。
腑に落ちないながらも何かあった、何か見たに違いないと思っていました。その後は疲れていたのもあり寝てしまいましたを
次の日の朝起きて、居間に行くと先に起きた妹と父、母、祖父母、その町に住む親戚が集まって話していました。
祖母が『かなちゃん、お姉ちゃんに話して』っと妹に言って妹が昨夜のことを話し始めました。
外に出ると砂利の音が聞こえて、猫かなんかが歩いてるのかと思って近付いていき、車庫の脇に目をやるとちょうど人感センサーで反応した明かりがつき、その砂利の音がするところが照らされたそうです。
砂利と泥が混ざっているその場所で女の子が私の靴を使っていて遊んでいたというのです。
そして、明かりがついたのでその女の子が妹を見上げ、目が合ったと。
朝が来て祖父母に話し、その場所へ行ってみると真っ黒になった私の靴があったそうです。
妹は霊感もなく、そういう類を信じない性格。その妹がこんなに怖がってるということはただ事ではないと震えるほど怖くなりました。
すると、祖母が重い口を開きました。
『今年の春、そこの電柱の脇にある〇〇さんちのお孫さんが亡くなったんだよ。〇〇さんちに遊びに来ててね』と話し始めました。
今年の春、お孫さんが遊びに来ていた時に少し目を離してしまい〇〇さんちの傍を通る川というか用水路というか、少し大きめの用水路のようなところに落ちてしまったそうで、みんなで探したけどちょうど見えない位置まで流れたようで翌日も探したそうです。
その子かどうかはわからないが、その子も5歳だったそうです。
その話を聞いたあと、〇〇さんの家にいきました。
一部始終を話すわけにいかないので、昨夜もしかしたらお孫さんを見たかもしれないと話しました。
すると、お孫さんの写真を見せて下さり、妹を見ると真っ青になっていました。
あ、この子だったんだと内心思いました。
〇〇さんは尋ねてきてくれたことに感謝をして下さり、私も孫に会えるならおばけでもいいから会いたいっと泣いていました。
祖父母の家に帰って、〇〇さんの家で話したこと、写真の子だったことを話しました。
祖母が、それでもあまり良くない見方だったからお寺に行ってお祓いしてもらおうというので、汚れた靴とともにお寺にいってお祓いをしてもらいました。
その後祖父母の家に行く時、もちろん夜に外へ出るようなことはしなくなり、靴は靴箱にしまうようにしました。
人生で初めての恐怖体験はあまりに怖すぎて、もう二度と体験したくないと思う体験でした。
妹もあれからおばけの類が怖くなりました。
あの夏にあったことはみんな一言も話しません。あの女の子が何を伝えたかったのかもわかりませんが、あの女の子含め〇〇さん家族が幸せになりますよう祈るばかりです。
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