じんわり怖い林間学校での思い出

私が体験したものは飛び上がるほど怖いというよりは、じんわり怖くなってくる様なそんな出来事です。

中学生2年の夏、同じ学年の全クラスで某県の青少年の森という場所へ林間学校に行きました。

当時の私は友人もそこそこ居て、部活も積極的に参加してクラスの中では中間にいる存在でした。
同じ趣味の友人もいてクラス上位にいるような美人も私と仲良くしてくれていました。

林間学校へはバスで数時間ほど、約半日弱かけて行く場所でした。
私は乗り物酔いをする方なのでバスに乗り次第すぐに寝ることにしました。
バスの休憩所でジュースを買ったり、途中でバス内でカラオケが始まったり大人数での宿泊ということもあり、皆のテンションはかなり高かったと思います。

現地へ到着する前に、やる事も満載で学習のための見学やら偉い人の話やらで忙しい一日でした。

施設に着いてすぐに部屋割りのメンバーで部屋に行き、荷物を置いて一休憩の時間がありました。
そのメンバーにはオカルト好きの大柄の女の子、アニメ好きのメガネ女子2人、少しおませな美人2人、そして私の6人です。

休憩時間の間に布団の確認や部屋の雰囲気、窓の外の景色を見て楽しんでいました。
その時に「ねぇ、こっちに来て！！見てこれ！」とオカルト好きの女の子がみんなを呼び寄せました。

布団が入っていた押し入れにその子がいて、一見、見た時には特に何も無く変わったものもありませんでした。
その子が「そっちじゃくて、こっち！」と押し入れにある仕切りの木の板を内側から見てほしいと言われました。

見たところ何やら油性のマジックのようなもので文字が書かれていました。
滲んでいて怖い雰囲気はありました。
うっすらですが、口が何とか、赤が何とかと書き連ねてあるのを覚えています。

本当はもう少し詳細に書きたいのですが書くことで何か起こらないか怖くてこんな感じだったと言うことしかできません。
その文は、私にはよく分からなかったのですが、オカルト好きの子、アニメ好きの2人、美人2人も何を意味するのか知っている様子でした。

理由を知りたくて何度も問い詰めたところ、少し前に流行った呪いの言葉だとか。

ビビりな私なので聞かなきゃ良かったと後悔しました。

林間学校なのでそんな変わったこともあって当然だろうという気持ちもあったのでひとまず落ち着くことに。
その後カメラを持ってきていたオカルト好きの子が、記念写真にみんなの写真沢山撮っておくね！と部屋内でも色々な表情の皆を撮ってくれました。
そんなこんなで休憩時間も終わり、夜が来て今日は忙しかったね〜とドキドキしながら寝れない一夜を過ごしました。

夜と言えばやはり怪談。オカルト好きの子は此処ぞとばかりに今まで集めていた身の毛もよだつ怖い話をして楽しませてくれました。
流暢な喋りでホラー番組さながらのエンターテイナーでした。
朝の四時頃に話が一区切りついて一旦面白かった話を挟んでいるうちに私は眠りについてしまいました。

2日目の昼間は山に登ったり景色の良いところでお昼ご飯や見学学習をして、あっという間に夕方になりました。

夕ご飯を早々に終わらせ、その日の夜は林間学校の恒例行事である肝試しがありました。
夕食を終えた子から準備に取り掛かり、先生も張り切って雰囲気作りをしていました。
子供騙しの出し物とはいえ、結構凝っている作りでした。
森の奥の方にある施設なので木々が暗い夜を一層闇の奥深くに隠している気がしました。