火葬場スタッフの報い
投稿者:上龍 (34)
短編
2022/02/04
20:50
2,167view
私が以前働いていた火葬場での話です。
その火葬場は管理が杜撰で、不届きなスタッフがたびたび副葬品の貴金属を盗んでは質に流し、荒稼ぎをしていました。
「どうせ溶けてなくなっちまうんだから足しにしたほうが賢いだろ」というのが本人の言い分ですが、良識的に考えてとても認められるものではありません。
そんなある日、ある高名な霊能者の火葬を行うことになりました。火葬を担当したのは盗みの常習犯の手癖が悪い同僚で、この時点で嫌な予感がしていたのですが……。
翌日、同僚の右手がどす黒く腫れ上がりました。病院で診てもらっても原因不明な上四六時中臭い膿を垂れ流し、凄まじい激痛が絶え間なく襲うのだそうです。右手を庇って悶絶する同僚にあきれた私は、一言アドバイスしました。
「今すぐ質屋に行ってお前が流したブツを取り返してこい。それから故人の墓に行って、土下座で謝れ」
同僚はただちに言うとおりにし、霊能者の棺から盗んだ貴金属を買い戻すと本人の墓に詫びを入れました。すると右手の腫れはすぐおさまったものの、後遺症の指の痺れが残り、結局退職してしまいました。
同僚はコソ泥の報いを受けたのでしょうか?今となっては真実はわかりませんが、良い反面教師にはなりました。
前のページ
1/1
この話は怖かったですか?
怖いに投票する 16票
霊は見ているということですね。
ましてや高名な霊能者だったから、喝のひとつでも入れたかったのかも。
よくこんな罰当たりなことが出来るよ