どうやら家の外で鳴っているようです。
そっと窓の外を見ると、山で出会った白いワンピースの女性が居たのです。
片手には頭を抱え、もう片方の手は腕を真っすぐ上げて鈴を鳴らしています。
どうやら、私を探しているようです。
友人に助けを求めようとスマホを手にしたのですがなぜか電源が入りません。
よく見るとびっしょり濡れて水没したように画面が曇っています。
寝る前にアラームをセットした時は何の異変もありませんでした。
どうして良いのか判らず、親が受験の時にくれたお守りを握りしました。
もう一度外を見ると女性が後ろ向きに立っています。
そして次の瞬間、頭が抱えられた腕の中でぐるりと回転したのです。
不運な事に目を合わせてしまったのです。
にやりと不敵な笑みを浮かべて女性の姿が霧のように消えてしまいました。
ほっとしてその場に座り込んだ時です。
「見つけた…」
言葉ではなく心に響く様な低い女性の声がしたのです。
顔を上げると目の前に先ほどの女性が立っています。
ゴロンと頭が転げ落ち、にやにやと私の方を見て笑みを浮かべています。
怖くて声も出ません。
胴体の部分は腕を振って鈴を鳴らして立ち尽くしています。
このままではまずいと思ったのでお守りを女性に投げつけました。
すると、また霧のように胴体も頭も消えていったのです。
リンっと甲高い音を残して鈴が床に転がりました。
手に取るとまるで冷蔵庫に入れていたように冷たくなっています。
紐の部分は水分を含んでいました。
電気を付けて部屋の中をチェックすると床がびっしょり濡れています。
家に居るのが怖くなりコンビニまで車を走らせ朝まで待機しました。
スマホは相変わらず使用できません。
友人の家を訪ねて会った出来事を全て話しても全く信用して貰えませんでした。
自宅に同行してもらったのですが床に濡れた後が見当たりません。
スマホの事を思い出してポケットから取り出すとカラッと乾いておりなんの異常も無いのです。
怖