亡くなったうさぎがお別れの日に現れました
投稿者:カンニバル (7)
短編
2022/11/23
13:33
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私は10年間、ぶーちゃんと名付けたホーランドロップイヤーという品種のうさぎを飼っていました。
甘えん坊でいつも隣に座って私と一緒に過ごしていました。
しかし、10歳になると老衰で動く事も出来なくなり月に帰ってしまいました。
ペットロスに襲われた私は空になったケージに引き取ったお骨を飾って眺める日々を送っていました。
餌が残っていたので毎日、今まで通り餌をお茶碗に入れて水を与えていました。
ある日、寝ているとケージから水を飲む音が聞こえてきたのです。
そっと耳を澄ますとチモシーを齧るポキポキという音まで聞こえてきました。
そしてケージの金網を蹴って巣箱に飛び乗る音までしてきたのです。
ぶーが帰ってきたと確信した私はそっとケージを覗き込みました。
すると丸くてうさぎくらいのシルエットがケージの中から柵をすり抜けて飛び出してきたのです。
そして私の足の周りを嬉しそうに跳ね回りました。
どう見てもぶーが嬉しい時に走り回った姿にしか見えません。
思わず涙がこぼれて目を拭いた時にはぶーの姿は消えていました。
ふとカレンダーを見たらこの日は月命日でした。
今でも必ずぶーが月命日に帰ってきてくれるので寂しい気持ちはなくなりました。
人に言っても信じて貰えませんが、ぶーの存在を気にしながら楽しい生活を送っています。
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