トイレの花子さんとは何か
投稿者:泥亜襤褸巣 (4)
トイレの花子さんの話です。
全国で目撃情報の噂がある有名な花子さんですが、僕の小学校でも花子さんは出ました。いや、正確には出たというのか、出たような気がするというのが正しいのか、僕にもよくわかっていないのです。
小学校1年の頃、その噂はクラス内に広まりました。「女子トイレで花子さんを呼ぶと出てくる。」
一時期は本当にその話題で持ち切りで、クラスメイトが何度も女子トイレで「花子さん」と呼び、すぐさま「キャー」と大声を上げて逃げてくるのを見ました。僕はと言えば、恥ずかしながら非常に小心者で「お化けなんかわざわざ自分から見たくない」と思い、花子さんを呼ぶ事はしませんでした。それどころか、その噂のせいで花子さんが出ないはずの男子トイレに行く事すら怖くなってしまい、用を足すのも友達に連れ添ってもらわないと行けないという体たらくでした。一度、クラスの女の子一人が「花子さんに噛まれた」と言って泣いているのを見ました。それを見て更に僕の恐怖心は増し「どうか花子さんに会いませんように」と日々強く祈っていました。
話はとんで、20歳の頃です。成人式を迎えた小学校の友人から「久しぶりに会おう」と連絡があり、仲の良かった4人のグループで居酒屋に集合しました。思い出話に花が咲きます。僕も思い出話の一つとしてあの話を持ち出しました。
「そういえばさ、小学校1年の頃トイレで花子さんが出るっていって皆ギャーギャー騒いでたよね。」
僕がそう言うと、なぜか皆はポカンとした表情をしていました。
「えー、そんなのあったっけ?」
誰も花子さんの事を憶えていないのです。
トイレの前であんなに皆騒いでいたのに、憶えていないなんて事あるんだろうか?
いや、でも花子さんは僕がいた3組だけで出回った噂で、1年の頃にクラスメイトではなかったこいつらのクラスでは知られていない事だったんだろうか。いやそれにしてもトイレの前であれだけ騒いでいたのに、僕以外の3人に全く記憶の片鱗もないのはおかしいんじゃないか?
いや、もしかしたらこいつらの言うように花子さんの噂なんて小学校の頃には存在してなくて、僕が後から「小学校の頃に花子さんが出た」という記憶を捏造してるだけなんだろうか?しかし、わざわざ自分でそんな記憶の捏造などするか?
夜。木目の床の廊下と壁一面に作文が貼られているのが見えます。薄暗くてよく見えないけど、ここは確かに僕の通った小学校です。そう、僕は筆箱を忘れて、わざわざこんな夜だというのに学校まで取りに戻ってきたんだった。それにしても気味が悪いから早く帰ろう。そう思っていたら、廊下の向こうに小さい女の子が見えました。誰もいないはずの学校に何で。不気味な気持ちが湧くのもつかの間、女の子がうつむいたまま手を伸ばしました。あぶない―。
目が覚めると、一人暮らしの家でした。小学校の友人と飲んで、千鳥足でなんとか帰ったんだった。慣れない酒の飲みすぎで少し頭が痛い。夢か。
もはや僕の中でトイレの花子さんは記憶なのか、妄想なのか、はたまた夢なのか、全てが混在して訳が分かりません。訳がわからないからこそ、訳がわからないまま、これからも花子さんはそこに居続けるのだろうと思います。
トイレの花子さんは都市伝説になっているけど皆が未だにその伝説に囚われて花子さんは何時までも成仏できないのでは??と思ってしまいます。
ですが、霊は亡くなられた場所、又は辛い思いをした場所又は思い出のある場所に憑くと私は思っている為、自分が執着していない場所には出てこないと思うのですが┅。
自分が見たと思える場所は違う子ではないかと┅。
学校と言うのはたくさんの子供達が集まり学ぶ場所なので、その辺にいた子供の霊が学校に来ることは有ると思われます。