脂肪のかたまり
投稿者:不知火 (1)
リサの様子がおかしくなり始めたのは三か月前だ。
リサは中学3年でミキは中学1年、大変仲が良い二歳差の姉妹。勉強も運動もよくできる上に優しく可愛いリサは誰からも好かれていた。
三か月前、リサは不登校になった。一日中部屋にひきこもり出てこない。内側から箪笥でドアを塞いでいるため他の家族もお手上げだ。
「じゃあミキ、お姉ちゃんに持ってってね」
「うん、わかった」
台所の母に頼まれ素直に返事をする。少し前までは母が運んでいたが、最近ではミキが食事係になっていた。
「なあ母さん、この味噌汁薄くないか」
「塩分控えめにしたの、血圧と肥満を気にしてちょうだいな」
トレイを受け取るや両親の会話を背中で聞き流し階段を上がる。
「お姉ちゃん、ごはんだよ」
やっぱり反応はない。ミキは気落ちしドアの手前の床にトレイをおく。眠っているのだろうか、部屋の中から生活の気配は感じとれない。リサは廊下から完全に人けが消えるのを待ってトレイを引っ張り込む。もう長いこと姉と接触してない事実に寂しさを覚え、ミキが弱音を零す。
「学校でいじめられた?部活でやなことあった?誰にも言わないから私にだけ教えてよ」
本気で心配して訴えかける。部屋の中には沈黙が立ち込めていた。すごすごダイニングに帰れば、皿洗いの手を止めた母が振り返りざま労ってくれた。
「ご苦労様。どんな様子?」
「よくわかんない、ドアも開けてくんなくて……寝てるのかも」
「もうすぐ受験なのに……」
「まあまあ母さん、リサは難しい年頃なんだ。しばらくそっとしとこうじゃないか」
頬に手をあて嘆く母を、夕刊を畳んだ父がのんびり宥める。母は姉の奇行の原因を思春期の一言で片付けるが、他に理由がある気がしてならない。優等生から転落した長女を放任する両親にミキは心を痛めていた。
数日後、姉の部屋に夕飯を運ぶ。相変わらずノックに反応はない。
「待って」
諦めて踵を返すと同時にノブが回り、数センチの隙間が開く。三か月ぶりに見る姉の顔だ。
風呂に入ってないせいでパジャマは汗臭く脂でテカる髪はボサボサ、拒食症と見まがうほど体重も落ちてしまっている。
「私が部屋から出れない理由、アンタにだけ教えてあげる。危ないから」
「何?」
「うちにおばけがでるの」
「えっ?」
「夜になると部屋にやってきて暗い中にじっと立ってんの。超キモイ」
情緒不安定な早口で呟き、呆然とするミキからトレイをひったくるリサ。味噌汁をよそったお椀を鷲掴み、匂いを嗅いだかと思いきや窓を開けて地面に撒く。
「ちょっと何すんの、せっかくお母さんが」
カッとしてドアの隙間に片足を突っ込んで押し広げ、異様な光景を目にする。ベッド周辺に散らかるスナック菓子の袋にもましてミキを動揺させたのは、部屋中至る所に貼られた手製のお札だった。
意味不明でこわい
両親が・・・逃げの一手のみしかない
異色の怪談
父親が絡んでるのは途中感づいたが、母親までとは思わなかった。
一家離散の理由¿
いやオネェちゃん助けたれや…
全速力で逃げろ
毒物入ってないとしても味噌汁は塩分多いから植物は萎れるけどね。
読書の面白さが、少しだけ分かった気持ちに…加熱しても死なないボツリヌス菌ぼつ
1 歳未満の赤ちゃんがハチミツを食べることによって乳児ボツリヌス症にかかることがある様で、1歳未満の赤ちゃんにハチミツやハチミツ入りの飲料・お菓子などの食品は与えないように外装の袋に表示されている物や無い物を見ます。食料品難にコウロギパンなどは、体験したく無いなー。イナゴ繋がりかも青カビ、ゴキブリ、、、AGがヒソって本当?
>AGがヒソって本当?
Asって書いてあるけど
児童相談所行こうよぉ……
モーパッサンの名作『脂肪の塊』と同じタイトルに惹かれ読んでみたが、別の意味で「超胸糞」な本作。 中1の妹は、家出したとあるが、児相か警察に駆け込み、中3の姉を救えたのだろうか。崩壊した家族、破綻した親子関係。化け物や幽霊より恐ろしい「人間」の罪業。コロナ禍で一家全員、家に引きこもるしか無いとなると、脆弱な関係しか築けてないと、こんな事態になりかねないのかも。
父からの性的虐待
それを知った母の憎しみは長女に
ってことだろうか
いやでもそれなら姉は素直にそう言うか
ううん
幽霊って怖いとかじゃなくて腹立つ。
人生めちゃくちゃにしやがって。幽霊見つけたらぶっ殺す
フィクションだよな怖すぎるンゴ
なんで優等生の姉を殺すのか?