セピア色の男性が生きている場所
投稿者:pams (61)
4年前に100歳で祖母が亡くなりました。家族・親戚一同、大往生で人生を終わらせた祖母に尊敬と感謝の気持ちでいっぱいでした。
病院で息を引き取った祖母を家に連れて帰った日の晩のことです。
明日はたくさんの人が来るから早めに休もうと話していると、家の大黒柱からヌッと大きな男性が現れました。セピア色なのです。
ちぎれた着物のようなものを着ており明らかに現代に生きている人ではないと思いました。
こちらを見ることも無く、祖母の箪笥へ姿を消しました。母も叔母もとなりで喋っているのですが気づいていません。
これから私と母は喪服などを取りに実家に戻らねばならず、祖母に寄り添えるのは叔母一人になります。今、見えたことを話すとどんな気持ちになるだろうかと考えるととても言えませんでした。
そして車で約3時間半、往復7時間かけ祖母の家に戻ると親戚も近所の方も次々と挨拶に訪れており、私もお茶出しや葬儀の用意でバタバタとしてた一日を過ごしました。
その晩、昨晩と同様不思議な光景を目にしました。
祖母が横たわっている部屋からかすかに話し声が聞こえるのです。
とても小さな声で何を言っているのかも何語なのかも分かりません。
これも隣にいる母と祖母は気付いておらず、わたしはテレビの音量を下げ、じっと耳をすまし部屋の様子を伺っていました。
すると横になっている祖母の枕元に小さなおばあさんが一人、すーっと消えていくのが見え、次に落ち武者のような格好の男性が祖母の部屋をザッザッと横切っていきました。
目も合わず、現れては消えていくので怖くもなんともないのですが、この2日間は生きている人とそうでない人の来客がとても多く、俗に言う「あの世」というのは同じ時間に何世も何世も重なっているのではないかと感じました。
祖母の家がある場所はある時代はセピア色の大きな男性が生きている場所で、ある時代は小さなおばあさんが生きた場所、そして落ち武者が合戦を繰り広げた場所でもあると。そのような気がしてなりませんでした。
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