世界の審理
投稿者:6 (10)
君達はなぜ今急速に日本が世界がこのような大変な事になってるか疑問に思う事はないだろうか?
実は今このような社会状況になってしまったのはある一人の人間の思考が現実世界に反映されてしまったがためである。
無論君達は信じないであろうが…
彼は職場の派遣社員で最初は挨拶程度の関係だったが次第に世間話からこれまでの半生、人生観について話す様になった。
彼は氷河期世代のど真ん中で今の職種が示す様に当然人生がうまく行ってなかった。
安アパートを借り独身で彼女も友人もおらず家族とも絶縁状態だという…更に加齢により体調も悪いそうで関節炎を患っていた。
貯金は翌月分の生活費分しかないようでしばしば私が食事をおごっていた。
今、人生が終わってもいい。
彼の口癖だった。
当然のように彼は心底世界を呪っていた。
毎日日本社会の崩壊を世界の崩壊を願っている、と言っていた。
幸せな人間や成功者が憎いんじゃない、普通の平穏を享受している人間が嫌いなんだ!でも同時にオレもそうなりたいんだ!
しかし出来ないんだ!
彼は所謂中間層に固執していて没落を願う反面そこに加わりたいと心情を吐露した。
特に氷河期世代が国や企業、他世代から見放されてる事に猛烈な怒りを感じているようで氷河期世代以外が氷河期世代以下になればいい!と吠えていたと思う。
経団連とか自民党政権がどうとかも言っていた覚えがある。
酒の席で聞き出した彼の本音である。
謎のウイルス病の蔓延で世の中が大変な事になっている現状を嬉々として話し、それが原因で社会が混乱し多数の感染者や死者が出ているのを嗤っていた。
五輪大会も開催があやうくなり経済も一層疲弊し日本の財政破綻が早まった事を熱弁していた。
しかしその惨状と君の社会崩壊願望は関係ないじゃないかね?と私は畳み掛けた。
すると引き寄せの法則というのを知っているか?と切り返された。
引き寄せの法則とは常に考えている事が実現する事で今の日本社会の現状態はオレの破滅願望が投影された結果なのだ。
との解説を受けた。
酔いが回りつつあった私は適当に相槌を打っていたが彼はその後も饒舌に話を続けていた。
彼はそれからしばらくして職場を去って行った。
別会社に配置転換されたらしい。
今でも彼はなんだったろうな?と思い悩む事がある…過酷な人生を過ごしたため心を病んでしまったのか、それとも…?
それとも積年の膨大な量の怒りや憎悪が本当に現実社会に反映してしまったのだろうか?
何より彼は引き寄せの法則とやらをなぜ自分の幸せや成功のために使おうとしなかったのか?
自らの幸福すら捨て去るほど巨大な怒りを社会に持っていたのだろうか?
『私』とはしばしば食事を奢っていた相手であり、酒の席に同席していた相手であり、文章中に『私』が実は『彼』であったとアッと驚かされるような文脈は見当たらない。意外性を狙った『オチ』のようにも見えるが意外に思う為の『根』が無く、恐怖も不可思議さも薄れ、いきなりなんの話?という感想に上書きされるのが今回の話でした。
6月の中旬に大きな地震が日本で起こる筈だったのですが、それを防いだのは私なんですよ。
郵便ポストが赤いのは、私の力なんですよ。
投稿者と同じような思考を持った人なんていくらでもいるよ…