先輩があまりに安い車を買って、気分よく夜のドライブをしていたら、バックミラーに笑う女の霊が映っていた。そのせいで事故りそうになったけど、強力な守護霊のお陰で無事だった。
そのあとは安全運転で家まで帰ったけど、その女はずっと拗ねたような顔をしていた。
なんて話を聞かされた後に、先輩が言った言葉は――「これが彼女の形見だ」だった。
話が飛躍しすぎて意味がわからなかったので、説明を要求した。
話を聞くと、その幽霊があまりに好みだったので、どの部品に取り憑いているかを探し出したらしい。
そして、その部品をネックレスとして肌身離さず持っているとの事だった。
とりあえず、先輩の頭がおかしいことはわかった。
先輩いわく、しばらくはそばにその幽霊がいた。空中で物同士がぶつかるようなポルターガイストも何度か起きたものの、先輩自身に被害はなかった。最近はその麗しい姿すら見せなくなった。おそらく成仏したから、彼女が憑いていたネジは形見だという理屈らしい。
あと、乱れた長い髪の毛から垣間見える整った顔と、ボロボロのワンピースを纏った女性らしい体つきがたまらなく好きとも言ってた。
俺は先輩の頭のおかしさを、まだ理解できていなかったようだ。
で、先輩にはとても言えないが、その幽霊は今も先輩のそばにいる。
先輩に強力な守護霊が憑いているのは事実で、過去にも危険な悪霊から先輩を守ったことも、俺は知ってる。
その姿は無精髭を生やし、肌も防具も傷ついていて、まるで戦場帰りの勇ましい若武者のようだった。
今はそいつが女の霊の相手をしている。
ふたりともよそ行きのような格好で視線を絡ませたり逸らしたり、かなりいい雰囲気だ。
























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