自宅から駅へ向かう途中、
民家の脇にある細い路地を通ると近道になる。
夏になると、その路地ではいつも冷たい風が吹いていた。
ずっと私は、
民家のエアコンの風が漏れているのだと思っていた。
だが数年前、その民家は取り壊され、
今は小さなコインパーキングになっている。
それなのに、
あの路地を通ると今でも冷たい風が吹いてくる。
気になった私は、
同じようにその路地を利用している近所の人に聞いてみた。
「この路地、いつも冷たい風が吹きませんか?」
すると、その人は不思議そうな顔もせず答えた。
「あるよ。」
そして当たり前のことを言うように続けた。
「だって、あそこ霊道だから。」
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