これはずっと昔の話なんだが、、、
━りんごはなんにもいはないけれど
りんごのきもちはよくわかる
誰が歌っていたのだろうか、、、
昭和の頃に一世を風靡した歌謡曲。
まだS美が子どもの頃、
彼女の母が薄暗い台所でりんごを剥きながら、よく口ずさんでいたものだ。
それを聞くたび、
ひねくれ者の彼女は「りんごの気持ち」なんか分かるはずないのにと心の中で突っ込んでいた。
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クラスメイトは皆帰り、窓からは朱色の陽光が射し込む夕暮れ時の教室。
窓際の机を挟んで、S美と担任の大島は向かい合っていた。
「誰にでも出来心というものはあるものだ。
先生は決して怒らない。
怒らないから、正直に言ってくれ」
とつとつと語る大島の顔はどこかぎこちなかった。
─違う、、、違う、、、私じゃない
彼女は懸命に心の中で叫び続けていた。
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