小学生の俺はクラスメイトがゲーム機を使って遊ぶのを羨ましく思ってた。
でも俺の両親はそういうのを買うのはまだ早いって感じだったし、こっそり買うにしても毎月1000円のお小遣いでは長い間我慢するしかない。
俺がゲーム機を欲しいと思って一週間ぐらい経った頃、この状況をどうしようと思ってたんだけど、家の近くに中古屋があったからそこにいけば何かしらのゲーム機が買えるのでは?ということが脳裏によぎった。
そんなことを思いついた俺は学校から帰り道の途中ひっそりとその中古屋に行った。
そこにはかなり前にやってたであろう映画のdvdや年季の入ったcdなどが売ってる不思議でレトロな感じの店だった。
それでゲームのコーナーはどこに有るのか店員に聞こうと思って探したんだけどおかしなことに店員は誰1人としていなかった。
少し恐怖を感じつつなんとか店の端にゲームがひっそりと置いてあるのが見えた。
そこには見たこともないケースに入れられてないゲームのソフトとボロボロないかにも古臭いボタンが黄ばんでいる水色の携帯ゲーム機が置いてあった。
しかもなんとそれらには普通は貼ってあるはずの値札はなく、選ばれましたという言葉が書いてあるテープが貼られていた。
なんか気味悪いなと思いつつ、選ばれましたってことはこれって無料でこれ全部手に入れらるってことだよな!ってなってテンションがめっちゃ上がってそのままそのゲーム機とソフトをポッケに詰め込んで駆け足でその中古屋を出て行った。
それから夜、俺はひっそりとバレないことを願いながら布団にくるまって、そのゲーム機をソフトを入れてない状態で起動した。
そしたら、灰色の画面が浮かび上がったが俺はそこで疑問を浮かべた、何故かと言うと、起動したら普通はゲーム機の名前とかそのゲーム機を作った会社が表示されるのにそれがなかったからだ。
違和感を覚えつつも俺は、なんか元の持ち主がダウンロードしたソフトとかないかなと探したがホーム画面にはそれらしいものは見当たらなかった。
そのことにがっかりした後、俺はどのソフトを遊ぼうかなとソフトのラベルを見ながら考えていた。
そんな中一つソフトに目が入った。
そのソフトにはタイトルはなく、不気味な笑みを浮かべたグレーの肌の真っ黒な瞳をした黒髪の少女がラベルに描かれていた。
好奇心に駆られた俺は、そのソフトをゲームカードスロットの部分と思われる所に入れて、ホーム画面に表示されたそのソフトを反応するのか不安になる状態のボタンを押してプレイを始めた。
ゲームが始まった瞬間俺は背筋が凍った。
ラベルに居たあの不気味な少女が画面に表示され、さらに、後ろの背景には
俺 の 家 が 映 っ て い た
そして、その少女はにんまりと笑いながら俺にこう言ってきた。「選ばれました!おめでとう!選ばれました!おめでとう!選ばれました!おめでとう!選ばれました!おめでとう!選ばれました!おめでとう!」
繰り返すこの恐怖の言葉を止めようとしたが、ゲーム機にはなんと音量調節のボタンがなかった。
気が狂った俺はそのゲーム機を床に叩きつけた。
ガシャン!バリ!と床と接触したゲーム機は鈍い音を上げた。
そしてゲーム機の画面に映っていた女はさらに口が裂けるのではないかと思うほどの笑顔になりがら最後にこう言ってきた。
「これで抜け出せる、もう選ばれたの、今更遅いよ。もう全部終わるの」
その言葉に戦慄していたが、まもなくして俺がゲーム機を壊した音を聞いた父親が俺のところに来て何があったのかをキレながら聞いてきた。
さっき起こったことに戸惑いつつなんとか説明することができたが、父はそんな話を信じるはずもなく、逆に俺が頭がおかしくなったのではないかと引き気味になっていた。

























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