消えた隣人
投稿者:ほらりん (21)
短編
2024/10/15
09:11
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私は引っ越してきたばかりのアパートで、静かな日々を送っていた。隣の部屋には中年の男性が住んでいて、毎朝挨拶を交わす程度の付き合いだった。彼の部屋からは毎晩同じ時間に古いオルゴールの音が聞こえてきたが、それが少し気味悪かった。
ある日、突然その男性の姿を見かけなくなった。オルゴールの音も消え、部屋はひっそりと静まり返っていた。不審に思った私は大家に尋ねたが、「彼は家賃を残して去った」とのことだった。しかし、部屋の中には彼の家具や日用品がそのまま残されていた。
不安な気持ちを抱えつつも、私はそのことを忘れようとした。しかし、数日後の深夜、再びオルゴールの音が聞こえてきた。しかも、それは隣の部屋からではなく、私の部屋の中からだった。
恐怖に駆られた私は部屋を飛び出し、大家を叩き起こして助けを求めた。大家と一緒に部屋に戻ると、オルゴールの音は静まり返っていたが、部屋の中には何かがおかしい。家具の配置が変わっており、まるで誰かが部屋の中で生活しているようだった。
その後、私はアパートを引っ越すことに決めた。最後に部屋を出る時、大家に挨拶すると彼はこう言った。「あの部屋の隣人、実は10年前に亡くなったんだ。あなたが見ていたのは、その幽霊だったのかもしれないね。」
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