呪われたビデオテープ
投稿者:ほらりん (21)
短編
2024/10/04
17:15
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ある日、大学生の直人は、古びたビデオテープを手に入れた。友人の家の片付けを手伝っているときに見つけたもので、ラベルには何も書かれていなかった。興味本位で再生してみると、画面には不気味な映像が映し出された。
映像には、古い洋館の中を歩く女性の姿が映っていた。彼女は白い服を着ており、顔は見えない。突然、画面が乱れ、女性の顔がアップで映し出された。彼女の目は真っ黒で、口元には不気味な笑みが浮かんでいた。
直人は恐怖に駆られ、ビデオを止めようとしたが、リモコンが効かない。画面の中の女性がゆっくりと手を伸ばし、まるで直人に触れようとしているかのようだった。直人は叫び声を上げ、ビデオデッキの電源を引き抜いた。
その夜、直人は悪夢にうなされた。夢の中で、あの女性が彼の部屋に現れ、ゆっくりと近づいてくる。彼女の冷たい手が直人の肩に触れた瞬間、彼は目を覚ました。汗だくで息を切らしながら、部屋を見回すと、そこには誰もいなかった。
しかし、直人の心には不安が残った。翌日、友人にビデオテープのことを話すと、友人は驚いた顔をした。「そのビデオテープ、実は呪われているって噂があるんだ。見た人はみんな、数日以内に行方不明になるって…」
直人はその言葉を聞いて青ざめた。彼は急いでビデオテープを処分しようとしたが、どこにも見当たらなかった。まるで、最初から存在しなかったかのように…。
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