友人が、風俗(に行くの)を辞めた理由
投稿者:海堂 いなほ (14)
これは、私が友人から聞いた話です。
友人(以後、私とします。)は、どこにでもいるサラリーマン。結婚をするまでは、毎週のように風俗に通っていましたが、結婚した今、なかなか、行くことができませんでした。
さて、その日は、妻と4歳の娘を家において、出張へ行くことになり、やましい気持ちを持って、都内に行きました。
この日のために、少ない小遣いを貯め、懐を温めていました。
今回の出張は、取引先との最終的な合意の確認だけでしたが、受注額が大きいことから、念のため、お互い確認しようということで来た、極めて簡単なお仕事でした。出張先は、都内有数の繁華街で、夜は夜で、相手方からの接待があり、比較的楽しい出張になるはずでした。
しかし、最近のインバウンド効果のおかげで、都内のビジネスホテルの宿泊費が高騰し、中堅地方の企業である私の会社では、できるだけ、出張費を抑えるようにとお達しが出ておりました。私は、トラベルサイトで、都内で、取引先に近いホテルを探しましたが、どこも高く、予算に合わず困っていました。しかし、一軒だけ、出張費の中で納まりそうな部屋があり、なぜ、ここだけ安いのかと思いましたが、それでも価格には勝てないので、すぐに予約を完了し、宿を抑えることができました。
当日、私は、値段が安いということで、ホテルがどんなものか気になっていましたが、到着してみるといたって普通のビジネスホテルだったので、安心し、チェックインを済ませるため、ホテルのフロントに行くと、人のよさそうな50歳ぐらいのフロントマンが対応してくれました。特段、不愛想ということもなく、淡々とチェックインを済ませると最後にフロントマンが、「人を呼ぶときは、内線電話をご利用ください。」とだけ言った。なんのことだろうと思いながら、部屋に向かった。そして、部屋に入ったものの特に湿っぽいとか、暗い感じがするとかはありませんでした。部屋に荷物を置くとそのまま、取引先に向かいます。
私は、その日の仕事も、取引先との接待を終え、ほろ酔い気分で、ホテルに帰りました。
そして、ついにお店に電話をしようとスマホを取り出し、HPをあさります。しかし、その時です、スマホの画面に妻と娘の写真が出てきて、妻からの着信を知らせていました。電話に出ると、テレビ電話に代わり、かわいい娘と妻が出てきました。妻は、忙しいのか、すぐにいなくなってしまいましたが、娘との話を始め、数十分立った頃でしょうか、突然、娘が変なことを言い出しました。
「パパ、後ろのお姉さん誰?」
まだ、呼んでいないのに娘には何が見えるのか?聞き捨てならない娘の言葉に、慌てて、画面に飛び込んできたのは妻でした。
「何?浮気。それとも」
妻が画面をのぞき込んでも私の後ろには誰もいません。当たり前です。まだ誰も呼んでいないのですから。
「○○ちゃん、何が見えたの?」
「赤い服を着た。髪の長い女の人」
「へー。まぁ、あなた、遊びすぎないようにね。」
電話が切られた。私は、スマホを握りしめながら、考えるに考えた。そして、再び、いかがわしいHPを開いた。こんなことであきらめるわけにはいかない。
そして、私は意を決して電話の通話開始ボタンを押した。
「はい、AFTER SCHOOL ○○てんです。」
「あの、今から一人お願いしたいんですけど。」
「すいません、よく聞こえないんですが、電波が悪いみたいなんですけど」
私の携帯は、よく聞こえるのに、相手はよく聞こえていない様子だ。
「えっなんですか、いたずらなら切りますよ」
「まって、まって、まだ、何も言ってない。」
ザ、ザザ。確かに何か、雑音のようなものが聞こえる。
「場所は、ザ、ザ、」「○○ホテル、〇号室です」「スグニムカイマスカラ」
というと電話が切れてしまった。途中から、女性の声に変ったような気もしたが、とにかく準備万端。歯を磨き、ベッドに腰かけて待つことにした。
数分後、部屋の呼び鈴がなった。私は、慌てて、ベッドから立ち上がると、喜び勇んで、扉を開けた。
そこには、赤い服を着た前髪をたらし、顔が見えない女が裸足で立っている。どう見ても、嬢ではない。
フロントの人何か知ってるな(/_・、)。
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