黒い影
投稿者:海堂 いなほ (14)
不惑の年が近づいてくると体調管理が難しく、仕方なく、夜中に好きな音楽を聴きながら、5~6kmのランニングをしていました。いつものように走っていると、ある日、後ろから足音が聞こえてきました。私は、同じランナーかなと思い、後ろを振り向きましたが、誰もいませんでした。気のせいかと思い、再び走り始めましたが、やはり、後方から足音が聞こえてくるのです。何かがこすれている音が足音に聞こえていると思い、その日は、気にせず家に帰りました。そんな出来事を忘れて、次の日も走っているとやはり、後方から足音が聞こえるのです。後ろを振り返っても誰もいません。不意に左目の端に何か、黒いもやのようなものがかかっているように見えました。「酸欠かな」と思い、私は、走るのをやめ、歩き始めました。
次の日、目を覚ますとやはり、左の視界の端が暗いのです。私は、仕方なく、眼科に行き、検査をしてもらいましたが、結果は、異常なし。眼科の帰り道、ふと、視界の左端が明るくなっていることに気が付きました。しかし、一本の細い黒線が視界の左側に見えるのです。その部分だけ、見えないと言っても、本当に細い糸のような線なので、何ら困ることはないのですが、私は、再び、眼科に戻りました。再検査を受けましたが、結果は、異常なし。
そして、また、次の日、今度は、黒い糸が2本に、また、次の日には、3本と増えていきます。ゆっくりと、シャワーカーテンがかけられるように徐々に私の視界を奪っていきました。病院に再び行きましたが、やはり、異常はなく、先生から、「精神的なものかもしれません。一度、受診されてみては。」と言われる始末です。そして、視界の左側半分が真っ暗になった時に、私は、このまま、視力が失われるのではと言う恐怖を感じて生活をしていました。ゆっくりと、閉められる黒いカーテンは、一日ごとに私の視界を奪っていきます。その頃から、体のだるさ、特に、肩の異常に重いのです。今度こそ病気だと思い、大きな大学病院での検査を受けました。その日のうちに結果が出ることはありませんでした。さて、大学病院で、会計を待っているときのことです。私は、急に声をかけられました。その人物は、好々爺を絵に描いたような人物でした。笑顔で私の横に座ると、彼は、言うのです。「どこで拾ってきましたか?病院が終わったら私の家まで来てください。」
彼は、私の会計が終わるまで、待合室で待っており、私は、仕方なく、彼の家に行くことにしました。彼の家は、病院のすぐそばにある神社で、彼は、そこの神主だというのです。
社務所に通され、私は、彼から話を聞きました。「貴方の肩に女性の霊がついています。ゆっくりとあなたの顔をのぞき込もうとしています。最近、肩が重くなったのは、その女性が、あなたの肩に乗っているからです。ちょうど、こう、こんな感じで。」と言うと神主は、肩に乗るようなしぐさをした。
うわっ((( ;゚Д゚)))
続きは?
怖かったです。
↑の方と同じで続きが読みたいですね。
神主さんに、出会えて良かったです。
それからどうなったの?