熊被害の実体験
投稿者:とくのしん (65)
今、巷を騒がせている熊による被害。農作物を食い荒らすだけでなく、人が襲われたいう報道が連日飛び交っている。例年以上に熊の被害が多い理由として、猛暑に次ぐ猛暑、いや酷暑に次ぐ酷暑により木の実の出来が壊滅的という話があるようだ。そんな熊の駆除に対し、自治体に苦情を入れる人がいるという話も耳にする機会が増えた。
実際に熊の被害に遭った人からすれば駆除されて当然と思うだろうし、動物保護の観点から苦情を入れるという逆も然りだろう。こういう話を聞くたびに、それほど野生動物との共存は難しいと考えさせられる。
偉そうに前置きしたが、今から30年近く前に熊により親友を失ったとある男性の実体験を紹介してみよう。
私の大学時代の友人の滝田が、早期退職をして北海道に永住を考えているという相談を受けたのは突然の事だった。それなりに有名企業で、それなりのポストについて、それなりの生活を送っていた。“それなり”という言葉を連発したが、一流どころに届かないが人並以上の生活水準であることは間違いなかった。言い換えれば“中流以上、上流未満”というところか。私の周りでは一番の出世頭だったし、私からすれば羨ましかったので、妬みも込めて“それなり”を連呼させていただいた(笑)
だからこそ早期退職して会社を辞める理由が見つからない。会社からも強く慰留されているという。
「一昨年と去年に、北海道を旅行したんだけどさ。それがきっかけで北海道にハマっちゃったんだよね。それに俺、独り身だろ?自給自足な生活もいいかなって思ってさ」
早期退職なんて考える歳じゃないだろうという私の言葉に、独身貴族を貫く自分には重荷になるものは何一つないと答えた。仕事は嫌いではないが、この先何十年も人間関係やらそういった柵に縛られたくないというのが滝田の言い分である。。
まぁそれも一理ある、わからなくはない。その当時の私は大いに反対したが、彼は結局のところ受け入れなかった。しかし今になって思えば、前年から滝田の両親が相次いで亡くなったことも影響していたのであろう。滝田が飲んだ席で私に涙ながらに語ったことがある。彼は泣き上戸なところがあったが、裕福でない家庭だったが両親が無理をして身を粉にして大学まで行かせてくれたことを、本当に感謝していたようだ。それだけに滝田は両親を大事にしていたのを私は知っている。しょっちゅう食事に誘ったり旅行に連れて行ったり。自分が人並以上の生活ができるのは両親のおかげだと、そう言い切っていた。そんあ大事にしていた両親がこの世からいなくなったことで、ぷつんと糸が切れたように仕事に張り合いが持てなくなってしまったのだろうと当時を振り返るとそう感じる。
その相談を受けて半年くらいしてからの翌年の年賀状には、一面の雪景色に滝田が写ったものが送られてきた。“北海道は最高だから遊びにこい”いう一文を添えられて。
私が次に滝田に会ったのはそれから2年近くが経ってからだった。夏も終わりを迎えた頃、滝田から「遊びに来いって言ったのに全然こない」と文句の電話を受けた。忙しかった新規事業も落ち着きを見せ、1週間程度の休暇を取れることもあって私は滝田の誘いに乗ったのだ。
2年ぶりに会う滝田は、都内でバリバリ働いていたスタイリッシュな姿は身を潜め、北の国からの五郎さんのような風貌になっていた。そのことを指摘すると「似たようなもんだからな」と笑っていたのを覚えている。
滝田が住んでいるのは札幌から車で2時間程離れたF市。某有名ドラマの舞台になったところといえば察しがつくだろうか。以前旅行で訪れたとき両親が深くこの風景を気に入ったらしく、永住するならばここと決めていたそうだ。そしてその風景がよく見えるようにと両親の墓も移したことも話していた。
滝田はロッジ風のそれほど大きくない家を建てていた。景観に非常にマッチしたおしゃれな家で、広いリビングに寝室と客間、それとロフトがあった。薪ストーブがあって、それがまたいい雰囲気を醸し出していた。
「どんな生活しているかと思っていたけど、悠々自適に過ごして正直憧れる」
「柵から解放されたけど、こっちの生活も大変なことも多いけどな」
その日の夕食に用意してくれた石狩鍋をつつきながらそんなことを話した。自炊なんてしたことなかったはずの滝田が作るものだから、やや心配であったがこれが本当に美味かった。地酒も存分に振舞ってくれて、もういたせりつくせり。鍋に入っていた肉がまた美味しくて、何の肉か聞いたらイノシシだそうだ。
「そうそう、こっちにきて狩猟を始めたんだよ俺」
そう言って、奥の鍵のついた棚から猟銃を取り出してきた。地元の猟友会の方に誘われてのがきっかけだそうだが、今ではイノシシやシカを単独で仕留められるまでになったそうだ。
「上手い肉だろ。一昨日、俺が仕留めたイノシシなんだよ。いっぱいあるから存分に食ってくれ」
そういって冷蔵庫からたんまりと肉を取り出して見せてきた。その日はもう飲んで食って飲んで食っての大騒ぎだったのを覚えている。
次の日は、観光がてら買い出しに付き合えということで名所周りをした。
「ここ、北の国からのロケ地だぞ」
回る先々で同じことばかり言っていたが、あのドラマは好きだったのであれこれシーンを回想しながら風景を楽しむことができた。
その日の夕食時、
「まだまだ案内し足りないけど、明日は運動兼ねて山に行かないか?」
「運動って・・・登山道具は何一つ持ってきてないぞ」
「狩猟やってるって言っただろ、一緒についてこいよ。俺のかっこいいところを見せてやる」
そう自信ありげに滝田は言った。
翌日の早朝、滝田とピックアップトラックに荷物を積んでN岳に向かった。
「狩猟っていうから犬を使うかと思ってた」
「犬を使う場合もあるけどな。俺はほとんど一人で行動している」
滝田は“忍び猟”という一人で山に入り獲物を探すというスタイルに拘っているという。
「猟の醍醐味っていうのを一番味わえるんだよ。たまに猟友会の人と一緒に山に入ることもあるけど」
猟についての会話をしながら目当ての西岳に着いた。
やぼなツッコミだけど、ヒグマを射殺できるようなライフルって所持許可が下りるまで10年かかったのでは?
狩猟免許取ってるような人なら散弾銃でヒグマが死ぬわけないって当然知ってるだろうし、最後のシーンも色々矛盾してるような
クマの問題はホント最近とくにひどいですよね。それに、ハンターたちの持つ銃ってほとんどが散弾銃でクマを殺せるライフルを持つのが本当に難しい。そのくせ熊被害が出たら国は猟友会任せ。猟友会は公共事業でやってるわけでもないのに全責任を負わされる。札幌で起きた事件なんて、警察の依頼で発砲したら、後から街中で発砲したのは違反だからって免許取り消しになってる。
だったら熊が出たら警察の狙撃隊か自衛隊でも出せばいいのに、それもしない。今のクマ被害はなんにもしない行政の責任ともいえる。
北海道にはイノシシはいない、というつっこみがありそうですが、wikiによると本州から連れて来たイノブタの養殖のために本州から持ち込まれた数頭の個体が逃げ出し、野生化しているそうです。
あと、1p目で石狩鍋を食べるシーンで「いたせりつくせり」って書いてますが、正しくは「至れり尽くせり」ですね。
上のコメント、書いてるうちに変な風になりました。すいませんw
>やぼなツッコミだけど、ヒグマを射殺できるようなライフルって所持許可が下りるまで10年かかったのでは?
狩猟免許取ってるような人なら散弾銃でヒグマが死ぬわけないって当然知ってるだろうし、最後のシーンも色々矛盾してるような
死ぬわけなくても威嚇のために撃ったと解釈できるけど。難癖つけたいだけのコメントはやめた方がいいですよ
状況が目に浮かび、最後は助かってと祈りながら読みました。
野生動物の前では人は皆平等に無力と言われたら考え深いです。
車に乗って逃げればいいのにw
創作だからしゃーないか
これって怖話の実体験版だから言うほど難癖でもなくてアチコチ間違ってるぞって話やん。
熊害の話はタイムリーですね。今年は特に被害がひどい
kamaです。今日、韓国語の怪談サイトでこちらのお話が取り上げられてましたね。名作の証拠。ところで韓国にもクマっているのかな??
↑いるみたいですよ。
投稿者の方のメッセージならまだしも難癖だとか言ってた人が、海外サイトの話を出してステマをやっちゃ駄目でしょう
12番さん、教えて下さい
5番さんのコメントもkamaさんなんですか?
いろいろな人のコメント欄でkamaさんの書き込みをよく見かけるけど、書く内容の都合によって名前を出したり出さなかったりしてるってことなのかな?
12番さんの言う韓国ステマ?のコメントは他の人のコメント欄でも見ました
kamaさん、これはステルスマーケティングなんですか?
そして、12番さんは何故5番さんをkamaさんだと認識しているのですか?
散弾銃で死なないったって重症でしょ?
その後人殺せる気概が残ってるんや。
クマって凄いな
↑↑kamaです。あんまりこーゆーのにかかわりあいたくないんですけど、
ボクも名前出すときもあるし書かないで勢いでコメントするときもありますが、
ここでボクだと指摘されている難癖つけたとかのコメントは他の人が書いたものでボクではありません。あしからず。韓国語サイトに載ったよって言うのだって、「よかったねー」って話で、なんでそれがステルスマーケティングなのか、ボクにはわかりません。ま、不毛ですから争いやめときましょう。それにしても、最近なんかおかしいですね。奇々怪々さん。
怪しいのでボクは新規投稿ストップさせていただいてます。
たぶんですけど、5番さんがKamaさんじゃありませんよ。
実体験を投稿してくれているのに、難癖付けるのはやめましょうよ。
読み終えてゾッとしてたらコメント欄が人間味溢れてて少しホッとしたわ
>狩猟免許取ってるような人なら散弾銃でヒグマが死ぬわけないって当然知ってるだろうし、最後のシーンも色々矛盾してるような
例えヒグマでも至近距離から顔面や急所に散弾を食らえば相当なダメージは与えられると思うし、ビックリして逃げる可能性だってあるでしょ。散弾銃じゃどうせ死なないし撃ちもせずに素直にやられようってなりますか?普通は撃つでしょうし、何が矛盾なのか全くわかりません。
作者です。
なんかコメント欄が凄いことになっていましたが、たくさんのコメントありがとうございました。
久々の受賞作品なので嬉しいです。
今月もよろしくお願いします。
>>ビックリして逃げる可能性だってあるでしょ。
>>散弾銃じゃどうせ死なないし撃ちもせずに素直にやられようってなりますか?
>>普通は撃つでしょうし、何が矛盾なのか全くわかりません。
ちなみにこれはないので注意。手負い熊をこしらえて大変な問題になるので。
熊は銃や火薬の臭いに警戒して飛び掛かるのを躊躇うので、銃口を向けながら猟師は後方に下がる。
しつこい様だけど創作だから問題ないのであって、これを実話として捉えてるコメント欄の人たちが問題なのが分かってない。作者さんじゃなくて変な擁護してたこういう人が問題なんです。
私が次に滝田に会ったのはそれから10年以上が経ってからだった。夏も終わりを迎えた頃、滝田から〜
11年ぶりに会う滝田は、都内でバリバリ働いていたスタイリッシュな姿は身を潜め〜
コメ欄を元に修正するとこうなるのね。そんなに違和感ないし雑誌とかだと編集の方で直していくのでしょう。
ググったけどライフルは、やっぱり10年以上必要で短縮の可能性はあるけど有害駆除の時だけなので狩猟で使ったら当然アウト。
エピローグで滝田は、銃器の違法使用により被疑者死亡で書類送検されてしまったとかなら辻褄も合うから作者さんには、オチ的な続編も書いてほしいかも?
想像力が豊かな方の変な言いがかりが多いけど、本文のなかでライフルなんて記述は一切ないですよね。
「だから助けられなかったなんていう考えは傲慢でしかない。野生動物の前では人は皆、平等に無力なのだから」
最大のメッセージはこれじゃよ
幽霊よりもこえー