こっくりさん見物
投稿者:白と黒の旅人 (32)
やっぱり人間、馬鹿なことをするやつは何歳になっても馬鹿なことをしたりする。
かく言う私もその部類に入るのだろう。
ある日、大学の同じ授業をとってる奴ら5人がこっくりさんをやりだした。
確かオカルトサークル的なのに参加していたやつも1人2人混じってて、そいつらが準備してたみたいだからイベントの一種として実施したのかもしれない。
私も一緒にやらないかと誘われたのだが「いや〜、さすがに6人でその紙囲んで10円玉に指置くのはキツイっしょ。なんか起こったら面白そうだし、俺は見とくわ〜。」と参加は断った。
当時、既に日常的に数珠だのなんだのを持ち歩いており(というか大学用のカバンの中に数珠消毒液ガーゼ包帯絆創膏などが入っていた私がおかしいのだろう)、なにかあったら貸すか〜程度に眺めてた。
ここからは会話が多くなるので5人をABCDE、私を例の如くOとして「」付きで書かせてもらいます。
C「んで、場所なんだがとりあえずオカルトサークルの部屋でいいよな?」
A「手筈ではね。」
O「え?室内でやるのかよ。この時間に?」
B「いや、だって夜まで待つとかメンドイし、人によっちゃバイトあるっしょ?とゆーかアタシもバイトあるし。」
O「いや、ふつーこーいうのって、ムードとかの関係で夜とかに適当な場所見繕ってやるもんだと思ってたからさ。」
D「もちろん、それもあるからウチの部屋でやるんだよ。まぁ、行って見りゃ分かるって。」
こっくりさんはやる分には時間は問わないのだが簡易的と言えども降霊術の類であり、わざわざ出てきてくれたこっくりさんに対して何かしら見返りを用意したりしないと怒られる可能性もある。
たま〜にこっくりさんに火のついた線香とかロウソクを持ち込んだり、あとは油揚げを用意しとくと喜ぶとかあるが多分こっくりさんとして出てきてもらう「見返り」なのだろう。
O「こっくりさんって狐とか狸の霊なんだろ?なんかお供えものとかあった方がいいんじゃねぇの?後、俺らの分の食べ物とか。来るまで待つとかそんなんじゃなかったっけ?」
D「確かに来るまで待つがまぁ、そんなに待たんだろ。」
O「じゃあ、俺はお前らのこっくりさんをポップコーン片手にでも見とくわ。なんか買ってきてほしいものある?」
E「じゃあ私はコーヒーとアルフォート。」
ここに来てやっとEが発言した。
O「言っとくが、後で金もらうからな〜。他のは?」
と、こんな感じで各々の欲しいものを聞いて近くのコンビニに買いに行った。
帰ってくるのが遅かったら先に始めといてと伝えたがちゃんと私が帰ってくるまで待っててくれていた。
伝えられていたオカルトサークルの部屋はわざわざカーテンで陽の光を遮って暗くしてあった。驚くことに、これからこっくりさんをやると言うのに、横でなんか黒魔術みたいなことを試してる1団も居る。何この空間。
帰ってきたあとは料金の徴収。そしてこっくりさんのスタート。
手順は知ってのとおり、鳥居スタートで「こっくりさんこっくりさん、どうぞおいでください。おいでくださったら『はい』へお進みください。」とコインがはいの位置へ移動するまで続ける。
こっくりさんが来たら『はい』に移動するのでそこから1人ずつ質問スタート。答え終わるまで次の質問をしたりしちゃいけないんだとか。
D「お〜キタキタ。」
とDの声が聞こえたので狐か狸かは分からないがこっくりさんが来たのだろう。
とりあえず、コンビニで買っておいた油揚げをそっと置いといた。
興味が少しあるけど、もし帰ってくれなかったらと思うと怖くてできません。
小、中の頃何度か経験した事がありますが、10円玉は誰かの意思で動かしているのでは?と思わずにはいられないです。